世界NTDの日 日本イベント開催報告

製薬協は、2024年の世界NTDの日に協賛いたしました。また、製薬協国際委員会NTDサブグループは、「世界NTDの日・日本実行委員会」の一員として2024年1月28日に「第一回顧みられない熱帯病学生コンテスト」の最終審査会、1月30日に世界NTDの日オンラインイベントに参画しました。

webinarの写真

毎年1月30日は、世界保健機関(WHO)が定めた「世界NTDの日」顧みられない熱帯病について、思いを寄せて世界がつながる日です。今年WHOが発表した世界NTDの日のテーマは、「Unite. Act. Eliminate」でした。製薬協のNTD サブグループは、日本のNTD関係者と「Unite」し企画段階から参画してまいりました。
今年の日本のNTDの日イベントは、大学生で構成されるNTDs Youthの会が中心となって学生さん自身が企画をし、普段NTDに携わる仕事をしている日本のNTD関係者が、それぞれの専門性を持ち寄りながら、支援をして創りあげる「Act」をしました。

NTDの日に向けて募集された学生コンテストは、NTDsを3分以内の動画で分かりやすく伝えるA部門、NTDsの課題や私たちができることを合計1300字以内で提案するB部門を設定し、中学生から大学院生までを対象として、自由に作品を応募してもらうという、学生ならではのユニークなアイデアが実現しました。初めての試みに製薬協も協賛し、製薬協賞の選定基準を表す「いっしょに届けたい、くすりと想い」というメッセージに従い、NTDサブグループメンバーで協議しながら魅力的な応募作品の中から一作品を選定しました。

学生コンテスト最終審査

35チーム(79名)の応募から一次選考を通過したA部門5作品、B部門6作品について現地とオンラインの併用で応募者からご発表頂き、最終選考を行いました。学生さんからの発表はYouTubeを活用して視聴者を引き付ける工夫が秀逸なものや手話を取り入れた発表から途上国の現地訪問の経験を活かした研究など多岐にわたりました。

日本製薬工業協会賞に選出されたのは東京学芸大学附属国際中等教育学校の中学生による応募作品でした。お二人の発表から、日本の高い医療技術で途上国の人材を育成し、保健・衛生や教育などの社会基盤の整備を支援するだけでなく、将来的には途上国のオーナーシップや友好な関係構築にも繋がっていく可能性を感じました。

学生コンテスト最終審査の様子

最終審査の様子(審査員の先生方)

世界NTDの日オンラインイベント(1月30日)


2024年1月30日当日は、NTDの日に際しての日本の関係者からのメッセージ、第一回顧みられない熱帯病学生コンテストの授賞式、NTD専門家から分かりやすくNTDを学ぶ質問セッションの三部構成で、イベントが執り行われました。

2024年世界NTDの日ウェビナー動画はこちらからどうぞ
 

上野会長によるメッセージ

若い世代が創るイベントに製薬協上野会長も共感し、イベントの冒頭に動画にてメッセージを発信しました。上野会長は、製薬企業としてNTDsへの取り組みを行う意義、その課題、また、国の基幹産業として将来の製薬産業を担う学生さんへのエールなどを交えて、製薬企業のNTDsへの貢献を述べました。

動画リンクはこちら

表彰式

最優秀賞(A部門・B部門)、U-18特別賞(A・B部門)、日本製薬工業協会賞、GHIT賞が発表され、受賞者からそれぞれコメントがありました。

日本製薬工業協会賞受賞者表彰
廣野さん 宮嵜さん 東京学芸大学付属国際中等教育学校 3年

「このコンテストに向けて調査をする中で、NTDsの中にデング熱という病気を知り、海外に住んでいた時にデングの恐ろしさがとても身近だったこと、その頃は何もできなかったことを思い出した。今回、自分たちで考えたことを発信したので、少しは貢献できたこと、また、友人と一緒に作業していてとても楽しかった」と、廣野さんよりコメントをいただきました。

製薬協賞表彰式(受賞者代表 廣野さん、審査発表 アステラス製薬 藤井さん)

教えて國井先生

グローバルヘルスの世界で活躍されている、GHIT Fund國井CEOを司会者として、専門家がNTDを説明するセッションでは、製薬協から“製薬企業の取り組み”の質問に答えました。NTDを「Eliminate」するために、世界の製薬企業が医薬品を無償提供しているが、製薬企業は薬を工場から出荷しておしまいというわけではなく、薬を必要としている人々が住む低所得国の遠隔地にも薬を届け、対象となる人々に疾患啓発と薬を服用してもらう意義を理解してもらうため、現地の医療スタッフへの教育なども含め、世界中の多くのパートナーとの協働しながら責任を果たしていることを、現地の様子などを交えながら説明しました。

製薬企業の取り組み説明(エーザイ 飛弾さん)

最後に

世界NTDの日に向けて日本国内の関係者が連携をしながら、学生のアイデアを形にして、若い世代にNTDs制圧の重要性を訴えていく初めての挑戦は、昨年10月から始まり、成功裡に終わりました。

この日のために協働した、NTD Youthの会、GHIT Fund、DNDi Japan、SDGs Promise JapanからもNTDの日当日の紹介がございます。また、with Planet紙からの記事も公開されております。各団体からのリンクの記事もご参照ください。

朝日新聞社 with Planet;
「顧みられない熱帯病」知って 初のNTDsコンテストで学生が訴え 

NTD Youthの会;
report - Contest - Our project | NTDs Youthの会 (ntds-youth-japan.org)

GHIT Fund; 
イベント | GHIT Fund | 公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金 | Global Health Innovative Technology Fund

DNDi Japan; 
2024年世界NTDの日ウェビナーに参加しました | DNDi Japan

SDGs Promise Japan;
ブログ | 特定非営利活動法人SDGs・プロミス・ジャパン (sdgspromise.org) 

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