日本の現状 ~なぜ日本に未承認薬・適応外薬が多いのか~

「未承認薬への行政としての対応  -オールジャパンとしての取組みを」佐藤  岳幸  氏(厚生労働省医政局研究開発振興課治験推進室長)

国内未承認薬への取組み・・・公的支援がスタート

海外で発売されていながら日本では承認を受けていない、いわゆる未承認薬の開発支援については、資金的支援以外にも、医薬品開発企業の募集、治験環境の整備、医師主導治験への資金提供、厚生労働科学研究や高度医療への支援事業など、様々な公的支援が実施されてきました。
未承認薬の問題に対して迅速に効果的に対応するため、2005年に未承認薬使用問題検討会議を立ち上げ、国内未承認薬の臨床上の必要性と使用の妥当性を科学的に検証し、必要性及び妥当性のある国内未承認薬については、確実な開発に結び付けることで、承認取得に向けての取り組みを促進してきました。
しかしながら、14品目の開発が進んでいなかったため、新たな公的支援の枠組みを策定し、これら14品目の薬剤を支援対象品目とし、医薬品医療機器総合機構が治験相談を行い、治験等の開発費用の助成対象となっています。

実際の開発支援における助成対象経費は、ロイヤリティー以外のライセンス料、治験薬の購入費及び包装費用・品質試験費、治験相談費用(開発段階及び事前評価段階に関するもの)、施設費用(被験者数に応じた症例評価に関する物件費・一般管理費等)です。

表 未承認薬開発支援対象品目・候補品目一覧

オールジャパンとしての問題解決を・・・患者さんが必要としている薬を一日も早く

その他の支援対象として取り上げられなかった未承認薬については、医学会や患者団体などを通して要望を収集しました。それを整理して300~400品目にまとめた各薬剤について、製薬企業の開発意思を確認しています。今後はその回答がまとまり次第、有識者会議にて開発の優先順位を決定いたします。従来は未承認薬の問題、小児の未承認適応の問題など、それぞれが別の会議で検討されてきましたが、今後はそれらの会議を統合した有識者会議にて、全体を視野において開発の可否や優先順位を決定します。
患者さんが必要としている薬を一日でも早く使えるようにすることは、行政の使命だと思っています。ただ、未承認薬や適応外薬の問題は、行政の考えだけでは適切かつ迅速な対応は行えません。医療従事者、患者さん、製薬企業、研究者の協力のもと、薬はオールジャパンとして、みんなで作るものであるということを強調したいと思います。

*本記事は「第20回 製薬協政策セミナー:未承認薬・未承認適応問題の早期解決に向けて」(主催:日本製薬工業協会、2009年10月7日開催)において講演された内容をまとめたものです。

INTERVIEW:「未承認薬・適応外薬検討会議」および臨床の現場の立場からの発言