製薬協について 製薬協について

【参考】2020年度事業方針及び事業計画

1.事業方針

<はじめに>
 我が国は昨年(2019年)、元号が平成から令和へと変わった。本年(2020年:令和2年)は新たな令和の時代の本格的始まりであるとともに、1964年以来56年ぶりに東京にて2回目のオリンピック・パラリンピックも開催される。(注)
 まさに、一つの時代から次の時代へのバトンタッチが行われる節目の時期にある。
(事務局注:本事業方針・事業計画は2020年3月19日総会で承認された。その後、新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大を受け、3月24日に安倍首相とIOC会長間で東京オリンピック・パラリンピックの1年程度の延期方針が決定された)

<昨年からの回顧>
 昨年度からの経済状況を回顧すると、国際経済においては、米中貿易摩擦による中国経済の動向、Brexit等による規制・基準等の制度面の不確実性とそれに伴うEU経済の動向等に不安定要因が見られる。国内経済においては、昨年10月の消費税引き上げや台風の影響等により、個人消費が低迷する中で、政府が総合経済対策を実施し、経済の下振れリスクの回避を企図しており、年明けから顕在化した新型コロナウイルス感染拡大の影響も合わせて、今後の動向を注視する必要がある。

 こうした中で、医薬品業界を取り巻く状況をみると、海外においては、アメリカ等において医薬品価格の値下げ圧力が一段と強まり、また、WHOにおいて医薬品の価格の透明化が提案されるなど、医薬品業界に対する風当たりが強まる一方、OECDにおいていわゆる電子課税など、経済のグローバル化の中で新たな課税ルールづくりが検討されている。

 新興国においては、アジア市場を中心に経済成長に伴い医薬品ニーズが増大する一方、市場、制度が未成熟な部分もあることから、薬事規制や価格設定など、医薬品供給のための環境の整備が課題となっている。また、知的財産の強制実施権の問題は、新興国の医薬品ニーズとイノベーション推進との相克の問題として議論が継続して行われている。
 さらに先進国、新興国共通の課題として、AMRが採り上げられ、昨年のG20等において宣言が取りまとめられるなど、課題や取り組みについて認識が共有され、医薬品業界の役割が明確となった。
 こうした中で、欧米、新興国を通じて、国際調和とアジアをはじめとする新興国の医薬品市場の環境整備について日本政府や日本の医薬品業界のリーダーシップが期待されている。

 国内においては、少子高齢化の中で、医療保険制度の持続性とイノベーションの両立が課題となっている。昨年末に取りまとめられた令和二年度薬価制度改革の骨子は、医薬品の医療的価値の評価など、製薬協が昨年1月に取りまとめた“製薬協政策提言2019-イノベーションの追求と社会課題の解決に向けて(以下「政策提言2019」)”の考え方が一部反映されたものとなる一方、新薬創出等加算の見直しが限定的になった。また、薬価収載後の再算定の仕組みがさらに強化されたことから、薬価の予見性の著しい低下や効能追加の開発意欲の低下惹起などの観点から課題が残ったものもあり、イノベーションの適切な評価の観点から、次期改定に向けて今回の改革の影響を把握し、評価していく必要がある。

 政府は昨年9月に全世代型社会保障検討会議を設置し、人生100年時代の到来を見据え、働き方の変化を中心に据えた社会保障全般にわたる改革について年末に中間報告を発出した。会議においては、医療保険制度の給付と負担の在り方についても議論がなされ、後期高齢者の自己負担増の方向性について報告がなされている。薬剤費の負担の在り方に関する言及はなかったものの、高額薬剤が薬価収載されたこともあり、高額薬剤やOTC類似薬の負担の在り方について、各方面で様々な議論がなされ、医療保険制度の持続性との関係で高額薬剤に対して厳しい指摘がなされている状況にあり、引き続き議論を注視していく必要がある。

 研究開発においては、健康医療ビッグデータ、AI、ゲノム医療等の革新的なテクノロジーを用いた創薬を推進するため、政府においては全ゲノム解析プロジェクトが進行するとともに、次世代医療基盤法による認定事業者第1号が誕生した。製薬協は、全ゲノム解析プロジェクトにも早期の創薬への活用を目指して積極的に関与するとともに、健康・医療戦略の見直し作業や2020年度予算の編成過程において、官民連携の8プロジェクトを推進するなど「政策提言2019」の実現に向けた取り組みを精力的に行った。
 この他、“医薬品医療機器等法(以下「薬機法」)改正案”が昨年11月に成立し、先駆け審査制度や条件付き早期承認制度の法定化など、規制面において効率的かつ合理的な研究開発を行いえる環境が整備された。


<本年の動き・展望>
 本年は、先ず薬価問題について、2018年度の薬価制度の抜本改革及び2020年度の改革で積み残しとなったいくつかの課題に引き続き粘り強く取り組むとともに、2022年度の薬価制度改革に向けて政策提言2019を具体化していく年ともなり、本年から来年にかけてが、これまでの薬価制度を巡る議論の集大成を図る重要な、正に正念場を迎える年となるものと考えられる。
 また、本年は来年度に実施される中間年改定への準備の年でもあり、医薬品の研究開発力確保や安定供給への影響の観点から、対象範囲・改定方法について意見を述べていく。
 税制については、2021年度に研究開発税制が期限を迎えることから、企業の研究開発インセンティブの向上の観点から適切な改正案を提案していく必要がある。また、2020年内に結論を得ることとされているOECD電子課税については、他業種や海外の製薬企業と協調しながら、適切に対応していく必要がある。

 研究開発については、産官学の連携により革新的なテクノロジーを活用した研究開発を推進する観点から、健康・医療戦略を具体化する年であり、それはすなわち政策提言2019を具体化する年でもある。まず、政策提言2019で提起した8プロジェクトを中心に、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」)の基金を活用しつつ、官民連携の強化により研究開発を推進する必要がある。また、一般社団法人未承認薬等開発支援センター(以下「PDSC」)に設けた研究開発拠点を活用し、企業間連携、産学官連携による研究開発を推進していく。
 ゲノム、ビックデータの創薬への活用については、政府の作業に積極的に関与することにより、早期に創薬に有効な情報・データを活用できるような制度設計を行う必要がある。

 この他、全世代型社会保障検討会議等で医療保険制度の給付と負担の議論が活発化することが想定されるが、薬剤の給付と負担の在り方について対外的な説明責任を果たすとともに、その中で医薬品の適正使用の在り方や医薬品の価値について、国民や関係者に対する啓発活動を進めていく。
 なお、その際には、全世代型社会保障制度の構築において、製薬産業が革新的医薬品創製の取り組みを強化し、各ライフステージ、各疾患ステージに応じた革新的医薬品を継続して創製することで、国民の健康寿命を延伸し、社会保障における「支える側」を増やす役割を果たしていることを理解してもらう必要がある。

また、政府において改正薬機法の具体的運用内容について検討が行われることから、法制化される先駆け審査制度や条件付き早期承認制度をはじめ薬事承認において、効率的な研究開発を進めるため、現場の立場から必要な協議を行うとともに、法案の国会審議における厳しい指摘をも踏まえて、コンプライアンス、ガバナンス強化策について、襟を正して真摯に対応する必要がある。

 国際関係においては、2015年9月国連で採択され環境問題を中心に注目されているSDGs(持続可能な17の開発目標)に関し、環境問題については日薬連を中心とした取り組みに協力するとともに、各会員企業はそれぞれに独自の取り組みを行うべきであるが、SDGsの中で製薬産業が貢献できる目標(3、全てのヒトに健康と福祉を)に対して特に注力すべきと考えられる。
 より具体的には厚生労働省や独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」)と連携しつつ、アジア市場へのコミットメントを強化し、規制調和及び人材育成について支援を強化することによりこれらに貢献することが考えられる。
 欧米市場については、Brexit後の欧州の動向や米国トランプ政権の医療政策を引き続き注視していく。
 また、医薬品価格の設定や国際電子課税等の課題について、海外企業や団体と連携して製薬産業側からみて納得性のある仕組みが構築されるよう、プロアクテイブに対応する必要がある。AMR等の全世界的課題についても、G20に際して行った提言に沿って、製薬業界の役割を適切に果たすことができるような仕組みが構築されるよう行動することが求められている。
 さらに、昨年末から次第に拡大している新型コロナウイルスの感染拡大問題についても、今後社会・経済活動への影響を注意深く見守るとともに、製薬産業に期待されている役割が積極的に果たせるよう引き続き努めていく必要がある。

2020年は、以上のような課題を踏まえて、イノベーションの創出のための環境整備とイノベーションをより適切に評価できる仕組みの実現を政府に強く求めていく一方、引き続き医薬品の創製・供給を通じて人々の健康と社会の安定に貢献し続けることも目標に、次の4つの基本的考え方に基づき積極的に活動を展開していく。

(1)
イノベーション(革新的な新薬の研究開発)の促進や医薬品の適正使用推進による医療の質の向上、医薬品の多面的価値評価に基づく社会・経済発展への貢献
(2)
国際展開、国際協調の推進とグローバルヘルスへの貢献
(3)
コンプライアンスの更なる徹底と国民の信頼感の一層の醸成
(4)
製薬産業理解のための広報活動の一層の推進



2.事業計画

(1)
イノベーション(革新的な新薬の研究開発)の促進や医薬品の適正使用推進による医療の質の向上、医薬品の多面的価値評価に基づく社会・経済発展への貢献

<革新的新薬及びイノベーション創出の観点からの総合的な施策検討>
研究開発型製薬産業を取り巻く社会環境の変化や施策動向を把握・分析し、産業政策の要であるイノベーション推進方策、薬価制度、税制を中心に、革新的新薬やイノベーションの創出等により国民ニーズ・社会課題に応えていく観点から、総合的な検討を行い、提言・対応を行う。また、官民対話や常設委員会で対応できない課題、緊急事案等について的確に対応し、主張すべき内容、方向性等を整理する。
検討や対応に当たっては、関係団体と連携するとともに、医薬産業政策研究所の研究・調査機能を活用する。

<薬価制度関連事項>
政策提言2019に基づき、優れた医薬品が持つ多面的な価値を適切に評価し、薬価に反映する仕組みの構築・実現に向けて注力する。研究開発型製薬産業という立場からの2020年度薬価制度改革に関する分析・検証を行い、イノベーション創出の活性化・加速化ならびに薬価算定の透明性・納得性を高めるという観点から、2022年度の制度改革に向けて、薬価収載時ならびに薬価収載後のイノベーション評価に関するあるべき制度について、エビデンスに基づく理論を構築して提案し、その理解と実現に全力を尽くす。また、中間年の薬価改定についても、その枠組み内容によっては大きな影響が考えられることから適切に対応する。
2019年度より制度化された費用対効果評価については、薬価制度における位置づけを踏まえつつ、その運用や課題の検証を継続し、必要に応じ業界として改善に向けた意見の表明、適切な反映を求めていく。特にイノベーションの積極的な評価が可能となるような制度の提案を目指す。

<税制関連事項>
2021年度の研究開発税制の見直しにあたり、本税制が研究開発投資インセンティブとして効果的に機能し、イノベーションを推進する制度となるよう、総額型における時限措置の延長・拡充や特別試験研究費税額控除制度(いわゆるオープンイノベーション型)の手続要件の緩和等の改正要望を行う。
2019年度の税制改正で大幅に拡充された特別試験研究費税額控除制度の会員企業による活用状況を検証し、積極的な活用を推進する。
2020年度税制改正において厳格化される研究開発税制等の租税特別措置適用に関わる国内設備投資要件が、会員企業の研究開発税制活用に与える影響について検討する。
経済のデジタル化進展に伴い、OECDにおいて議論が続いている国際課税の新たなルールについて、その動向を確認するとともに必要に応じて適切な対応を図る。

<流通関連事項>
「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン(流通改善ガイドライン)」の基本的な考え方に基づく流通環境変化の影響を分析するとともに、必要に応じて流通改善ガイドラインの見直しの提案を行う。また、卸売業者等との協力を通じて、単品単価交渉の一層の推進など安定的かつ医薬品の価値に留意した供給が実現されるよう努力する。
新バーコード表示対応ならびに利活用を通じ、効率的な医薬品流通を推進する。

<適正使用関連事項>
政策提言2019に基づき、情報提供活動の適正化、ポリファーマシー・残薬等への対応、AMR対応、高額薬剤の最適使用を始め、医薬品の適正使用を推進するための諸課題について、関係委員会と連携して具体策の検討ならびに展開を推進する。

<研究開発関連事項>
新たに策定された第2期健康・医療戦略(2020年~2024年)等のフォローアップを行うとともに、健康・医療戦略及び医療分野研究開発推進計画に盛り込まれた革新的新薬の創出を支援する施策等について、その実効性が確保され、製薬産業にとって真に有益なものとなるよう、関係各省、各種会議体等に対して適時的確に提言等を行う。また、政策提言2019で示した医薬・医療イノベーション実現に向けた3つの課題「予防・先制医療ソリューションの早期実現化」、「健康・医療ビッグデータ及びAIの構築・活用」、「ヘルスケアイノベーション創出エコシステムの構築」に基づくプロジェクトを関係委員会および関係府省、AMED等との連携の下に推進する。
AMEDとの連携・協力関係の発展強化に努める。第1期の5年を経て、第2期中期計画期間に入ったAMEDの取組を引き続き支持し、我が国の保健医療分野の研究施策に関する司令塔機能の充実・強化に向けて必要な協力及び提言を行う。特に、政策提言2019で提起したプロジェクト等を中心にAMEDの基金を活用しつつ官民連携の強化を図るとともに、製薬協として2016年度から取組を開始し、順調に進展している官民共同事業(生物統計家人材育成支援事業)については、今後も定期的な評価に基づき、着実な進展に向け第Ⅱ期まで資金面を含め必要な協力を行う。
新規創薬シーズ等の創出に向けて、AMEDを始め様々な協働・連携体制の強化を図るとともに、産産連携についても一層の推進を図る。その際には、PDSC内に設けた研究開発拠点の活用を図る。また、AMEDと製薬協側の連絡調整窓口の機能強化を図る。
ワクチンを含むバイオ医薬品の研究開発及び製造の基盤整備推進、当該分野の人材育成に関係者とともに引き続き取り組む。また、iPS細胞技術などの新技術に基づく画期的新薬の開発や評価技術の開発等を引き続き目指す。
改正薬機法の施行に伴い、法律上の制度に位置づけられることとなった先駆け審査指定制度や条件付早期承認制度が適切に実施・運用されるように対応する。
未承認薬・適応外薬の企業への開発要請に対して真摯に取り組むとともに、公募品目についてPDSCとも連携して引き続き適切に対応する。
研究開発段階における個人情報保護に引き続き注意するとともに、個人情報保護法の改正や同法の運用が新たな医療の可能性を切り拓く研究開発分野における阻害要因とならないよう、国際的整合性の視野に立ったものになるよう意見提出等を通じて働きかける。
ICT、AI、IoT、遺伝子解析等の先端技術の革新的進展により医療、医学研究等のパラダイムシフトが進みつつある中、新たに発足予定の健康・医療データ利活用基盤協議会などの動きを注視し、医薬品産業として必要な提言や活動を検討していく。特に次世代医療基盤法の施行に伴う認定匿名加工医療情報作成事業者にかかる制度運用等の状況を注視する。今後、リアルワールドデータと呼ばれる膨大な医療データは、AI等を駆使して解析することにより、創薬の生産性を向上させる可能性が期待でき、また、適切な分析・評価により有効性・安全性等の医薬品の価値を効果的に示すエビデンスとして期待されるなど、幅広い領域における活用の可能性を持つことから、個人情報の取扱いに十分配慮した上で、幅広い領域における積極的な活用のために、産学官の連携を一層進めるための提言を引き続き行っていく。
医療情報データベースの利活用等を通じて、新たな有効性・安全性確保のための評価手法の確立に取り組む。特にPMDAにおいて本格運用されているMID-NETの運用・活用状況について会員間でも情報交換するなど、より良い活用法について積極的に関わっていく。また、我が国には悉皆性の高いレセプト情報・特定健診等データベース(NDB)や指定難病データベース(難病DB)など多様な医療情報データベースが存在していることから、これら公的医療情報データベースを用いて、例えば臨床試験の施設認定等、臨床開発促進につながる活用の仕組みを産学官が連携して進める。
厚生労働省に設置された臨床開発環境整備推進会議に参加するとともにクリニカル・イノベーション・ネットワーク(CIN)の構築に貢献する。
内閣官房に設置されている健康・医療戦略参与会合へ参画し貢献する他、健康・医療戦略の見直しに伴い改組・設置される医薬品開発協議会(仮称)など、製薬産業からの委員等派遣に適時・的確に対応し、会議に参画・貢献する。

<知財関連事項>
再生医療及びビッグデータ等の最新技術に係るあるべき知財制度について提言活動を継続するとともに、生物多様性条約に係る名古屋議定書の批准動向及び合成生物学・デジタル配列情報の議論についても引き続き注視する。
医薬品の価値を適切に評価し、創薬イノベーションを推進する観点から、医薬品の知的財産権の在り方(データ保護制度を含む)について検討を進める。

<その他>
革新的新薬を含む医薬品の持続的な安定供給に関し、日薬連とも連携しながら適切に対応する。

(2)
国際展開、国際協調の推進とグローバルヘルスへの貢献

1)
国際展開(主としてアジア市場の環境改善に主眼を置き、官民協働で会員会社の海外展開を支援する活動)
国際薬事規制調和戦略(RSI:厚生労働省策定、2015年6月)やPMDA国際戦略2015を業界の側からも引き続き積極的に支援する。
4月に開催予定であった第9回アジア製薬団体連携会議(APAC)については、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からカンファレンスは、中止を余儀なくされ、コンベンションについてはWeb開催とすることが決定したところであるが、来年度以降の開催においても、厚生労働省、PMDA並びに各国当局の参画を推進し相互理解を促進する。また、APACの前後で厚生労働省、PMDAがアジアネットワーク会合や国別の二国間会合も引き続き開催する見込みであることから、これらも合わせた全体の動きがアジア各国の規制調和や改善につながる活動となることを目指し、結果としてアジアにおける革新的新薬の患者アクセス向上というミッションの推進に寄与することに取り組む。
2016年に拡大復活し、以降毎年実施している日中交流(官民訪中)を厚生労働省・PMDAと連携し積極的に推進する。
APACとアジア太平洋経済協力(APEC)などで方向性が示された課題解決を具体的に進めるため、二国間定期協議(日韓、日台、日泰、日尼、など)の枠組みを活用した活動等の更なる充実・強化を図る。
2014年5月に加盟した医薬品GMPに関する医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキーム(PIC/S)への対応とGDP(医薬品の流通段階における品質確保に関する基準)策定の検討に協力するなど、行政と連携し国際協調を推進する積極的役割を担う。

2)
国際協調(主として欧米先進諸国を対象とした業界活動)
新たに設立発足したICH協会の活動において、同協会内で創始常任委員メンバーという主要なポストに位置づけられたことに鑑み、医薬品規制の技術面からの国際調和を推進する積極的役割を担う。
医薬品アクセス課題、保険償還と薬価問題等の先進諸国での共通課題について、日本政府、在外日本国大使館、米国研究製薬協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)、国際製薬団体連合会(IFPMA)及び各国製薬関連団体と連携し、各国政府などへ政策提言を行うとともに、製薬協内の関連委員会との連携強化により国内諸課題への取組にも貢献する。特に欧米の価格低減圧力の動向については、わが国にも波及する恐れもあり、十分注視していく必要がある。
具体的には既存の二国間定期会合(日英、日独、日仏)の枠組みを活用することに加え、EFPIAとの会合も定例化し、欧州における会員企業の活動等の更なる充実・強化を図る。特に英国のEU離脱に伴う環境変化を注視し、EFPIA、ABPI(英国製薬工業協会)、及び経団連、日本政府と連携し、離脱によるアクセスへの悪影響を最小化するよう英国政府及びEUに対し要望を継続していく。また、米国トランプ政権の政策を注視し薬価などの問題に対応するためのPhRMAをはじめEFPIAなどとの連携も模索する。

3)
グローバルヘルスへの貢献
グローバルヘルスの向上に貢献することが社会的使命であるとの認識 の下、三大感染症(マラリア、結核、HIV/エイズ)を初めとする感染症、NTD(顧みられない熱帯病)、NCD(非感染性疾患)、AMR(薬剤耐性)などの予防、治療への貢献活動に努める。特に、昨年大阪で開催されたG20に際して業界として行ったAMR関連のプル型インセンテイブの導入などの、政府への提言について、その動向を注視していく。また、主要な役割が期待されている開発途上国の感染症対策に係る官民連携会議や薬剤耐性(AMR)対策推進国民啓発会議については関係委員会連携のもと積極的に対応する。
偽造医薬品問題やドーピング問題等の社会的課題に立ち向かうため、関係機関との連携を継続する。
グローバル課題となっている低・中所得国における医薬品アクセス課題の解決に向けて、製薬協内関連委員会のより強力な連携の下、IFPMA、PhRMA、EFPIAと引き続き連携強化する。また、日本政府、IFPMAと連携し、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)、APEC、国連、OECD等の国際機関等へ、業界からの適切な発信を行う。

(3)
コンプライアンスの更なる徹底と国民の信頼感の一層の醸成

2017年11月、日本経済団体連合会(経団連)は「持続可能な社会の実現」のために企業行動憲章を改定した。それを受けて、製薬協も製薬協企業行動憲章・実行の手引き、製薬協コンプライアンス・プログラム・ガイドラインの見直しを行い、2019年4月から実施したところであり、その周知徹底を通じてコンプライアンスの一層の推進を図る。
製薬協コード・オブ・プラクティス(製薬協コード)をはじめとしたコ  ードならびに法令遵守に資する研修会等を継続して実施し、各社のコード・コンプライアンス推進体制の強化を図る。その際には、特に最近の業界の信頼を損なう事案を念頭に関連法規ならびに自主規範の遵守の徹底を図ることを会員企業トップ自ら率先していくよう働きかける。
2019年10月実施の製薬協コードの周知・理解の徹底を図り、プロモーション活動や広告活動の一層の適正化などを着実に推進する。
個別の不適切事案には厳正に対処するとともに、必要に応じ処分審査会を開催する。
自主規範である透明性ガイドラインによる情報公開を推進するとともに、臨床研究法に基づき適切な公表を行う。特に同法の完全施行を受けて行われる本年の資金提供等の公表について遺漏なきを期する。
日本医師会、日本薬剤師会、日本看護協会、全国がん患者団体連合会など、今後もこれらの関係団体と連携し、製薬業界のコンプライアンス推進に資する取組を継続する。
IFPMA基準に準拠した製薬協「適正な競争に関するガイドライン」(2015年7月)の遵守を推進する。
「臨床研究支援の在り方に関する基本的考え方」に係る企業と医療機関との間のモデル契約の定着を推進する。
改正薬機法の施行については、今年から3年にわたり段階施行されることから、今後ともその円滑な施行に向けて当局側と協議を行っていく。また、昨年10月から本格施行された「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」に基づき、組織内ガバナンスやコンプライアンスの適切な運用に取り組む。

(4)
製薬産業理解のための広報活動の一層の推進

2016年1月に発表した「製薬協産業ビジョン2025」、2019年1月に発表した政策提言2019の普及を通じて社会における研究開発型製薬産業の理解促進のための広報活動を強化する。
適正使用に関する項目を含む医薬品問題に対する社会の関心の高まりに呼応し、従来以上に広い範囲のステークホルダーに対し、産業理解推進のため積極的な意見交換や情報発信をより一層強化する。特にメディアに対する産業理解促進の取組を強化する。また、日本科学技術振興財団と連携し2016年度スタートした科学技術館における若年層を主たる対象とした「くすり」に関する理解促進のための常設展示(クスリウム)に引き続き取り組む。
提言の実現に向けて、国民、政府やステークホルダーに対して効果的な広報・情報提供活動を行うため、引き続き予備費を含めて予算的な手当てを講じる。
国民、生活者の製薬産業に対する理解、認識の実態(推移)について生活者意識調査を通して引き続き把握する。その際、必要な場合は新たな調査項目を盛り込むことを検討する。
経団連の各活動との連携強化を図り、経団連内での研究開発型製薬産業の理解推進に努める。また、社会に対する製薬産業理解促進の観点から広報分野においても連携する。
医薬品を含む医療へのアクセス問題を中心に、製薬産業のグローバルヘルスへの貢献の社会的意義について理解の促進を図る。
社会における製薬産業理解促進の一環として、重要な役割を担う患者団体の声に常に耳を傾けて相互理解を深め、より良い協働を推進する。


以上の項目に加えて以下の事項にも取り組む。

今後も日薬連及び傘下各団体の業務、責務分担や協会内委員会の連携、業務分担の在り方を引き続き検討し、転換期にふさわしい組織再編を推進する。
また、事務局においては東京オリンピック・パラリンピックの機会を捉え、勤務環境改善の一環としてITのさらなる活用(テレワーク等)に取り組むとともに会議のペーパーレス化についてもさらに推進する。

以上

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