データ駆動型研究開発を目指して -健康・医療データの活用について考える-

中塚 靖彦(医薬産業政策研究所 主任研究員)

(No.80:2022年03月発行)


 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本社会におけるデジタル化が加速している。デジタル化が加速し社会全体がデータ駆動型になる中、製薬産業においても、「データ駆動型社会」に適応するべく対応していく必要があると考える。
 製薬産業で活用していたデータは従来まで「患者のデータ」であり、特に臨床開発においては前向きに臨床試験を実施し主要評価項目などの「データ」を生み出していた。しかし、今後主役となるのは「患者のデータ」だけではなく、適切な(ヘルス)データプラットフォームでなどで収集されると考えられる「デジタル化された患者・生活者のデータ」となることは明白である。まさに個人の一生涯のデータとしての「ライフコースヘルスデータ」を蓄積することが、今後のデータ駆動型研究・開発においては重要となる。

 本稿では、今後「ライフコースヘルスデータ」にて収集が加速していくことが予想されるIoT機器(ウェアラブルデバイス)で取得されるデータについて紹介し、今後の製薬産業が、よりデータを活用できるようにするための新たな法整備等について提案を行った。

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