医薬品の多様な価値 -国民視点および医療環境変化を踏まえた考察-

中野陽介(医薬産業政策研究所 主任研究員)
廣實万里子(東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 研究員)
五十嵐中(横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット 准教授、東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 客員准教授)

(No.79:2022年03月発行)

 
 著者らは、これまでに医薬品の多様な価値の中でも、特に社会的な価値に着目し、それらのアウトカム指標・測定の現状および海外(主に英国等)での評価の現状について調査し、リサーチペーパー・シリーズ No.76(2021年3月発刊)等にて報告してきた。
 一方、2020年以降のCOVID-19パンデミック、革新的な医薬品の上市、そしてデジタル技術の進展によるデジタルセラピューティクス等の登場による医療環境変化は、医薬品の多様な価値を検討していく上で、大なり小なり何らかの影響を及ぼしていくのではないかと考える。

 本稿ではこのような医療環境の変化や価値評価に関連した最新動向等を踏まえ、国民が重要視する医薬品の多様な価値に関するアンケート結果、ならびにリサーチペーパー・シリーズ No.76では調査・言及できなかった内容を補完し、医薬品における多様な価値に関連する新たな調査・考察を報告する。

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