バイオ医薬産業の課題と更なる発展に向けた提言

赤羽 宏友(医薬産業政策研究所 主任研究員)

(No.71:2018年03月発行)

バイオテクノロジーの発展や新規分析技術の開発に伴い、有効性、安全性面で従来の治療薬よりもメリットの高いバイオ医薬品の生産と供給キャパシティーが飛躍的に高まった結果、世界での売上額は2016年には2012億ドルとなり、その医薬品市場における比率は31.5%まで拡大している(日本市場ではその比率は13.6%)。

このような背景から、グローバルで見るとバイオ医薬産業は、成長産業として期待され、医薬品産業の発展の一翼を担うと考えられている。一方、日本においては、バイオ特に抗体医薬事業への参入が遅れたと言われており、また超高齢社会に向かい医療費が逼迫する中で高額薬剤の問題も挙げられている。同時に、バイオ分野の新薬創出力、製造能力、バイオシミラーの開発等において、日本の国内産業における課題があり、今後の発展が危惧されるのではないか?と考えられる。

そこで本稿では、日本のバイオ医薬産業発展に向けた市場と産業の実態の詳細な研究を行い、「バイオ医薬産業の課題と更なる発展に向けた提言」について論じる。

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