承認条件としての市販後臨床研究 2000~2005年承認取得品目に関する調査

笹林 幹生(医薬産業政策研究所 主任研究員)
安積 織衛(医薬産業政策研究所 前主任研究員)

(No.33:2006年08月発行)

2000~2005年に日本で承認された新医薬品および新有効成分含有医薬品の承認条件の付与状況について調査した。調査結果から、承認条件として市販後調査・臨床試験等の実施を課される新薬数が増加傾向にあることが明らかとなった。2003~2005年に承認された新有効成分含有医薬品に限ると50%の品目に承認条件が付されていた。また、承認条件のある品目では承認条件のない品目と比較して、臨床開発期間が短く、世界初上市から日本上市までの期間差が短い傾向がみられた。因果関係は明確ではないが、海外データの利用状況と承認条件の有無との間に関連性があることを示唆している。

今後の検討課題として、市販後安全対策強化と開発インセンティブとのバランスがとれた施策を如何に講じていくかという点が挙げられる。また、条件付き承認を柔軟に活用することにより開発期間長期化の回避につなげる仕組みを構築することも検討に値すると考えられた。

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