日本における新医薬品の承認審査期間と臨床開発期間 2004年承認取得品目における調査
安積 織衛(医薬産業政策研究所 主任研究員)
(No.30:2005年08月発行)
日本において2004年に承認を取得した新医薬品(部会審議品目)を対象に、承認審査期間や臨床開発期間に関するデータを収集し分析を行った。審査期間の中央値は17.9ヶ月となった。この値は2001年以降、17-19ヶ月程度で推移しており、2004年承認品目についても同様の傾向であった。なお、通常審査品目と優先審査品目とに分けると、それぞれ21.9ヶ月、7.8ヶ月(中央値)であった。当局側持ち時間(審査処理期間)については、通常審査品目及び優先審査品目でそれぞれ13.6ヶ月、4.7ヶ月(中央値)であった。
また、新有効成分含有医薬品の臨床開発期間は88.8ヶ月(中央値)であり、1996年以降で最長となっていた。臨床開発期間と審査期間を合わせた全開発期間についても、2004年承認品目の中央値は115.7ヶ月と、過去最長であった。このような開発期間の長期化は、近年、懸念が高まっている開発コストの増大をもたらしている一要因である可能性が考えられた。