日本における新医薬品の承認審査期間 2003年承認取得品目における調査
小野 俊介(金沢大学薬学部 助教授)
安積 織衛(医薬産業政策研究所 主任研究員)
(No.24:2004年11月発行)
本邦の新薬の承認審査システムは、近年、その充実・改善を図るべく、審査体制の再編を経て大きな変化を遂げてきた。2004年4月には独立行政法人医薬品医療機器総合機構が設立され、新薬の承認審査期間のさらなる短縮が目指されている。
本調査では、2003年に承認を取得した新医薬品を対象に、審査に要した期間等の詳細について把握し、2003年時点での審査実績の評価を試みた。その結果、審査期間は中央値で19.1ヶ月となった。2001年以降大きな変動はないものの、2003年は若干延長傾向にあることが示された。なお、通常審査品目と優先審査品目とに分けてみると、審査期間はそれぞれ20.5ヶ月、8.2ヶ月(中央値)であった。当局側持ち時間(審査処理期間)については、通常審査品目及び優先審査品目でそれぞれ11.3ヶ月、4.4ヶ月(中央値)であった。また最近は、審査期間の短縮のみならず、審査期間を含めた開発期間全体の短縮にも関心が集まっていることから、本調査では、一部、開発期間についての分析も加えて行った。