日本における新医薬品の承認審査期間
小野 俊介(金沢大学医薬部 助教授)
案積 織衛(医薬産業政策研究所 主任研究員)
吉岡 知里(金沢大学医薬部)
田村 浩司(医薬産業政策研究所 前主任研究員)
(No.14:2003年12月発行)
日本の新医薬品の承認審査体制については、欧米先進諸国に比べて遜色のない体制を目指して逐次改善が図られてきた。しかしながら、承認審査に要した時間等の詳細なデータは公表されておらず、それらの改善の取組みが審査期間短縮にどの程度結びついたかを評価することは困難であった。そこで本研究では、近年申請が行われた品目について、承認審査に要した時間を調査し、審査における主要な段階ごとに集計してその推移等を把握し、体制改善の取組みと審査期間との関係について検討を行った。その結果、審査期間が短縮傾向にあり、タイムクロック遵守率も向上していることが明らかとなり、体制改善の取組みが有効に機能していることがうかがえた。また、各種層ごとの集計の結果、申請品目の属性等の中で審査期間と関係が見られるものがいくつか見出された。
さらに、審査期間の一層の短縮と、審査期間を含めた開発期間全体の短縮を視野に入れ、今後の審査体制および運用の更なる改善に向けて望まれる施策をまとめた。