日本の医薬品産業における研究開発生産性 規模の経済性・範囲の経済性・スピルオーバー効果

岡田 羊祐(一橋大学大学院経済学研究科・医薬産業政策研究所 主席研究員)
河原 朗博(医薬産業政策研究所 主任研究員)

(No.9:2002年02月発行)

本稿では、日本の主要製薬メーカー10社の創薬プロセスにおける、企業規模と研究開発生産性の関係について、薬効領域別の詳細な特許データを用いて検討している。研究開発生産性は引用回数によってウェイト付けされた特許取得件数に基づき推計している。これによると、1980年代から90年代半ばにかけての創薬研究の生産性は、単なる企業規模の経済性だけでは十分に説明することができず。むしろ研究プロジェクトの数・構成・ウェイトなどのポートフォリオのあり方によって強く規定されている。とりわけ範囲の経済性および企業内外の知識のスピルオーバー効果が、企業規模の優位性を強く規定していることが実証的に確認される。

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