医薬品評価委員会 2022-34 被験者の健康被害の補償について説明した文書

関連分類:治験契約手続き

初回公開年月:2023年01月

質問

治験審査員会審査資料となる、「被験者の健康被害の補償について説明した文書」についてご教示ください。

当院では依頼者から提出された病院長宛の被験者の健康被害の補償について説明した文書を審査資料としています。説明文書(Informed Cosent Form (ICF))の中に記載すべき事項として「健康被害の補償に関する事項」がありますが、こちらはICFの一部であり患者さん向けの文章と理解しております。

ICF内の健康被害の補償に関する事項を別添として、こちらを治験審査委員会審議資料「被験者の健康被害の補償について説明した文書」と兼ねるという依頼者がいるのですが、この運用は問題無いのでしょうか。 

製薬協見解

 説明文書の中に記載すべき「健康被害の補償に関する事項」は、GCP第51条第1項第12号、13号、14号に記載があります。また,医法研の「被験者の健康被害補償に関するガイドライン」の3.補償の原則の3-2には以下の記載があります。

治験依頼者は、治験依頼者の補償規程の概要を被験者に分かりやすく説明した文書(以下「補償の概要」という)を作成する。治験責任医師等が被験者に説明する際の説明文書・同意文書の中に、当該治験の補償規程に従って補償が行われることが記載されるよう治験責任医師等に要請する。「補償の概要」は、説明文書・同意文書とともに治験責任医師等から被験者に交付される。

以上の通り、説明文書には「当該治験の補償規程に従って補償が行われること」が記載されるべきと考えます。また、試験毎の補償規定については上記の通り、説明文書に付随する別紙として「補償の概要」が作成されることが多いと考えますが、本ガイドラインでも、「被験者に分かりやすく説明した文書」とあり、被験者となる可能性のある患者さんが補償内容を十分に理解できる内容であるべきです。

一方、治験審査員会審査資料となる、「被験者の健康被害の補償について説明した文書」はGCP第32条第1項で規定されていますが、その内容についてはGCP上特に規定はありません。そのため、治験審査委員会の手順書等で当該文書の内容について特に規定がなく、また適切な審査ができるのであれば、説明文書内の健康被害の補償に関する事項を別添として治験審査委員会審査資料である「被験者の健康被害の補償について説明した文書」と兼ねる運用に問題はないと考えます。

このページをシェア

TOP