医薬品評価委員会 2008-03 予定手術のための入院に対するSAE報告の取扱い(その2)

関連分類:副作用等報告

初回公開年月:2008年08月
改訂公開年月:2021年03月

質問

(入院予約を知り得た時点でSAE報告は必要か?)
市販後臨床試験中に以前より排便のコントロールができていないことの診断目的で大腸ファイバーを実施し、大腸ポリープを発見しました。

このとき、消化器の医師より大腸ポリペクトミーを進められたようです。
その後、ご本人の意志で試験終了後に大腸ポリペクトミー予定で入院予約をしていました。予約日は試験終了後1ヶ月以上先です。

これに対して、モニターより入院予約を知り得て24時間以内の報告が発生しますと言われました。SAE報告の定義・治療のための入院又は入院期間の延長が必要となるものに該当するとの判断との事です。

私は入院した時点で報告と認識しておりましたがいかがでしょうか。「質問番号2005-13」で予定された入院に関しての見解は理解しました。入院の予定を知り得た時点でのSAE報告に関しての見解をご指導ください。

製薬協見解

GCP第48条第2項に「治験依頼者が治験を依頼する場合にあっては、治験責任医師は、治験使用薬の副作用によると疑われる死亡その他の重篤な有害事象の発生を認めたときは、直ちに実施医療機関の長に報告するとともに、治験依頼者に通知しなければならない」とあります。ご質問にあります、モニターとの見解の相違が生じた理由は、「発生を認めたとき」の解釈の違いによるものと考えられます。

ご質問のケースでは、「入院の予約」を「入院」と同一と取り扱うべきかが問題となります。しかし、入院の予約はあくまで予約であり、被験者の方の今後の状況によって変更されることが十分に考えられます。したがいまして、現時点では入院として取り扱い、重篤な有害事象と判断する必要はないと考えられます。

ただし、「質問番号2005-13」の見解にもありますように、治験依頼者としては緊急に報告すべき事象かどうか(治験中の悪化によるものかどうか等)を判断するため、できるだけ速やかに情報を収集する必要があります。そのため、ご質問のような情報がある場合は、速やかに治験依頼者にご提供下さいますようお願い致します。

見解改訂理由

GCP省令の改正(令和2年8月31日 厚生労働省令第155号)及びGCPガイダンスの改正(令和2年8月31日 薬生薬審発0831第15号)に伴い、見解文の一部を変更しました。

このページをシェア

TOP