医薬品評価委員会 2021-07 外部委員 -「実施医療機関と利害関係を有しない者」の範囲(その8)

関連分類:治験審査委員会

初回公開年月:2021年07月

質問

IRB委員の妥当性について質問です。
GCP第28条第1項ガイダンス5に以下の記載があります。

  • 実施医療機関の職員等は、「実施医療機関と利害関係を有しない者」に該当しない。

この「職員等」には、実施医療機関に勤務する医師の配偶者も含まれるでしょうか。
臨床研究法における利益相反管理ガイダンスでは、利益相反申告者と生計を同じにする配偶者及びその一親等の親族(親・子)までが利益相反申告者等として定義づけされております。
「等」が指す範囲について見解をご教授いただけますと幸いです。

製薬協見解

GCPガイダンスでは、実施医療機関の職員等の「等」について厳密に範囲は示されておりません。しかしながら、『例えば、他学部の職員で実施医療機関と業務上の関係のない場合には、「実施医療機関との利害関係を有しない者」の対象と考えられる』と記載されていることより、これを1つの判断材料にすることができると考えます。

ご質問のケースにおいて、実施医療機関に勤務する医師の配偶者について、当該医療機関と雇用関係が生じている、あるいは金銭的授受が生じている等の場合、GCP第28条第1項第4号でいう「実施医療機関と利害関係を有しない者」には該当しないものと考えられます。一方で、当該医療機関と雇用関係が生じていない、あるいは金銭的授受が生じていない場合、「医師の配偶者」であることのみをもって「実施医療機関と利害関係を有しない者」に該当しないと断定はできませんが、当該医療機関となんらかの業務上の関係がある、もしくは実施医療機関および治験審査委員会の設置者から独立した立場で、治験の実施に関して公平な意見を述べることを期待されている役割を果たせない場合は、同じく「実施医療機関と利害関係を有しない者」には該当しないものと考えられます。

外部委員としての適切性は、第三者から疑いをもたれないよう十分な根拠をもって、最終的には治験審査委員会の設置者が判断することが重要です。過去の見解(外部委員—「実施医療機関と利害関係を有しない者」の範囲(その1~7))もご参照ください。

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