医薬品評価委員会 2020-33 治験から製造販売後臨床試験に移行した試験における副作用の未知/既知の判断文書

関連分類:治験契約手続き

初回公開年月:2020年12月

質問

薬剤が承認され治験が製造販売後臨床試験に移行し当該薬剤の開発がまだ継続している場合、実地施設へ提供する「被験薬の品質、有効性・安全性に関する事項、その他製造販売後臨床試験を適正に行うために重要な情報を記載した文書」として、また副作用の既知未知の判断根拠として、治験薬概要書を引き続き提供することで問題ないか。それとも、添付文書への切り替えが必要か。

なお、当該製造販売後臨床試験においては治験薬のラベルを改訂して製造販売後臨床試験薬として引き続き使用しており、市販薬ではありません。

依頼者側の副作用の既知未知の判断根拠は添付文書に切り替わっております。

GCP第56条に治験薬概要書を添付文書に読み替えと記載がありますが、依頼者側の副作用の判断に限局した記載となっており、実施施設側に関しては通知などが見つけられませんでした。添付文書への切り替えは市販薬を使用する際や承認後開発を継続しない場合であって、本件のような場合に治験薬概要書を使用することを妨げるものではないのではないかと考えています。

製薬協見解

GCP第56条ガイダンス2(2)(2)の規定より、既承認医薬品を用いて行われる製造販売後臨床試験においては治験薬概要書を作成する必要はありません。また、GCP第20条第3項中の「治験薬概要書」は「添付文書」と読み替えると定められており(GCP第56条ガイダンス2(6)(4))、製造販売後臨床試験依頼者の副作用等の予測性の判断は添付文書で行うことになります。

ご質問のケースにおきましても、製造販売後臨床試験依頼者側の副作用の既知未知の判断根拠は添付文書に切り替わっているとのことですので、基本的には上記と同様の運用になるべきと思われます。

なお、令和2年8月31日に発出された通知(薬生薬審発0831第15号)により、重篤な有害事象発生時の治験責任医師による予測性の判断は不要となりました(GCP第48条第2項/第3項ガイダンス2)

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