医薬品評価委員会 2017-83 治験薬管理(担当)者である委員の治験審査委員会審議・採決への参加の可否(その2)
関連分類:治験審査委員会
初回公開年月:2018年06月
質問
治験119見解「2009-40 治験薬管理(担当)者である委員の治験審査委員会審議・採決への参加の可否」についての質問です。
ICH-GCPの記載にある通り、弊社では治験薬管理者(補助者を含める)の参加が望ましくないと考えております。現状、治験119番の見解がございますため、実施医療機関にご理解いただけず、現状delegateされた薬剤師が審議採決に参加しています。
そこで、以下2点をご教示下さい。
質問1
治験薬管理者はGCP第39条ガイダンス2にありますように「実施医療機関ですべての治験薬を適正に管理させるため」に実施医療機関の長により選任された薬剤師であり、「治験責任医師と関係のない者」と考えられるため、治験薬管理者は治験審査委員となれるのでしょうか?
質問2
通常、delegateされる薬剤師は、管理業務だけでなく、調剤業務も実施しますが、調剤業務を実施している治験薬管理者は治験審査委員会の審議採決に参加できるとの考えでしょうか?それとも治験責任医師等が行うべき業務の一部(治験薬管理業務以外)を治験薬管理者が担当する場合は、治験責任医師により指名される治験協力者であると考えますでしょうか?
製薬協見解
治験薬管理者は、実施医療機関ですべての治験薬を適正に管理させるために実施医療機関の長から選任されます(GCP第39条ガイダンス2)。過去の見解(2009-40)にありますように、一般的に治験薬管理者の業務は、GCPで規定された役割から考えますと、当該治験において、被験者の観察・検査の実施、データの評価等に直接関わることが想定されないことから、「治験責任医師と関係のない者」と見なすことができます。したがって、治験審査委員会の委員として当該治験に関する審議・採決に参加することは問題ないと考えます。
また、治験薬管理(補助)者は、治験責任医師等の処方に基づき治験薬を払い出し、調剤も行いますが、このような業務も特殊な場合を除き、一般的な薬剤師の業務ですので、同様に審議・採決に参加することは問題ないと考えます。
しかしながら、治験薬管理(補助)者が一般的な薬剤師の業務を超え、二重盲検下で薬剤割り付けに関わるような場合や治験薬管理に特殊な知識・技能が必要な場合等では、当該治験の実施に大きな影響を与える可能性があるため、治験審査委員会委員として当該治験の審議に加わることは適当でないと考えます。
以上のことも踏まえ、治験119の見解は、ご質問にあるQ&Aの考え方と基本的な違いはありません。