医薬品評価委員会 2017-32 派遣CRCによる同意取得前のカルテスクリーニング
関連分類:業務の委託
初回公開年月:2017年10月
質問
当院では院内CRCが在籍していますが、業務提携によって一部の治験でSMOが入ることになりました。SMOが入る治験においては、院内のCRCではなく、SMOが派遣するCRCがCRC業務を行うことになります。病院とSMOの契約上、SMO派遣のCRCの業務は「治験の実施に関して必要な業務」と漠然としております。
その中でこの度教えていただきたいのは、カルテスクリーニングをSMOのCRCに行ってもらってよいかということについてです。SMOに確認したところ、他の施設では実施しているとのことでした。同意取得前の診療録を閲覧することになりますが、業務提携しており、治験協力者としている者であれば、GCP上問題ないものでしょうか。
製薬協見解
SMOのCRCが派遣契約に基づき実施医療機関にて業務を行う場合、治験責任医師の指示・監督のもとであればカルテスクリーニングを行うことに問題はありません。一方、当該CRCが実施医療機関とSMOとの間の業務委受託契約に基づき業務を行う場合、治験責任医師等の実施医療機関の職員が、当該CRCに対して実施する業務を直接的に指示することはできず、予め業務内容について当該委受託契約書で明確に規定し、その範囲内での業務である必要があります。
なお、カルテスクリーニングは個人情報の取得にあたると考えられますが、個人情報を取得した場合は、予めその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を本人に通知し、または公表しなければならないとされておりますのでご留意ください(個人情報保護法第18条)。
「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(平成29年4月14日(令和2年10月一部改正)、個人情報保護委員会、厚生労働省)もご参照ください。