医薬品評価委員会 2013-30 治験薬管理表の記載範囲

関連分類:その他

初回公開年月:2013年09月
改訂公開年月:2021年12月

質問

GCP第39条ガイダンス4において、実施医療機関の長又は治験薬管理者は、以下の事項に関して記録を作成し保存することと規定されています。

  1. a)
    実施医療機関に交付された治験使用薬の受領
  2. b)
    実施医療機関での在庫
  3. c)
    被験者ごとの使用状況
  4. d)
    未使用治験使用薬の治験依頼者への返却又はそれに代わる処分

a)に関しては治験使用薬搬入の際に治験使用薬納品書、受領書を交換することでよいのだと思います。c)及びd)に関しては、治験使用薬管理表を記入することにより記録されることになるのだと思います。

ここで質問なのですが、「b)実施医療機関での在庫」に関しては、治験使用薬受領書と治験使用薬管理表をもれなく記載することでよしとするものなのでしょうか。それとも、これらとは別の出納簿のようなものを必ず作成し、その時の在庫がリアルタイムでわかるようにしなければならないのでしょうか。

また、GCP第39条ガイダンス4の後段に、「これらの記録には、日付、数量、製造番号又は製造記号、使用期限(必要な場合)並びに治験薬及び被験者識別コードを含むこと。」とありますが、これらは、治験使用薬納品書・受領書、治験使用薬管理表について述べていると解釈してよいのでしょうか。それとも、もしも先の質問にて出納簿が必須だとすると、この出納簿にもこれらの事項は必ず記載がなければならないのでしょうか。効率を重視し、これらの細かい記録は納品書・受領書、治験使用薬管理表にあるのだから出納簿は作成するのであれば数量の差引がわかればよいという解釈ではだめでしょうか。

製薬協見解

「実施医療機関での在庫」の記録は、治験依頼者から提供された治験使用薬の管理に関する手順書に従い、治験薬管理者が適正管理した上で、第39条ガイダンス4にある「実施医療機関に交付された治験使用薬の受領」「被験者ごとの使用状況」および「未使用治験使用薬の治験依頼者への返却又はそれに代わる処分」から、実施医療機関の在庫が把握できるのであれば、改めて出納簿のような記録を作成する必要はないと考えます。

また、治験使用薬納品書・受領書、治験使用薬管理表には、その記録を作成する目的に沿って「日付、数量、製造番号又は製造記号、使用期限、治験薬及び被験者識別コード」を記入すればよく、治験使用薬納品書・受領書、治験使用薬管理表、治験使用薬返却書・回収書それぞれに上記全ての事項を記載する必要はありません。

補足

治験薬以外の治験依頼者が交付しない治験使用薬であって、実施医療機関が在庫として保管するものの中から使用する治験使用薬については、見解2020-48を参照ください。

見解改訂理由

GCPガイダンス(令和2年8月31日薬生薬審発0831第15号)の発出に伴い、補足を加えました。

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