医薬品評価委員会 2012-45 治験責任医師の交代と同時期に生じる説明文書の改訂、再同意

関連分類:同意の取得

初回公開年月:2013年03月

質問

治験責任医師の交代と治験薬概要書改訂版の提供時期が時期的に重なったために、現在の治験責任医師(以下、旧治験責任医師)への被験者への説明文書の改訂依頼と、これから治験責任医師になる医師(以下、新治験責任医師)への説明文書の作成依頼を行います。

新旧治験責任医師それぞれと相談の上、同一版の説明文書改訂版を作成することは問題ないでしょうか?それとも、新旧治験責任医師がそれぞれ別版の説明文書改訂版を作成し、両方とも治験審査委員会の承認を取得するべきでしょうか?

治験責任医師の交代、治験薬概要書改訂版及び説明文書改訂版に対する治験審査委員会の審査は同じ時期に行われ、実施医療機関の長による指示決定通知が速やかに発行されると思いますが、治験責任医師変更に関する覚書の締結は1カ月先になりそうです。説明文書の改訂箇所である新たな安全性情報については、被験者へ速やかに説明してもらい、口頭同意は取得します。しかし、新旧治験責任医師で同一版の説明文書改訂版を作成した場合には、当該改訂版を用いての文書での再同意取得は、上記覚書締結後となりますので、多少遅くなります。

製薬協見解

「治験責任医師の変更」、「治験薬概要書の改訂」、「説明文書の改訂」を同時期の治験審査委員会で審査されるとの前提で、被験者への継続意思確認方法について考え方を示します。

今回の治験薬概要書改訂に伴う、説明文書に記載する安全性情報等の内容について新旧治験責任医師にて協議の上、説明文書の改訂版を作成されることは問題ないと考えますが、説明文書に記載する治験責任医師名としては、被験者に治験責任医師が交代する旨を説明すれば、新治験責任医師名のみを記載することでも差し支えないと考えます。

また、治験薬概要書の改訂内容が、GCP第54条第1項に規定されている「治験に継続して参加するかどうかについて被験者の意思に影響を与えるものと認める情報」に該当する場合には、治験責任医師は当該情報を速やかに被験者へ伝え、治験参加の継続意思を確認する必要があります。したがいまして、治験審査委員会の審議を待たずに被験者の継続意思確認を実施し、治験審査委員会にて承認後に改訂版説明文書を用いて再同意を文書にて取得することで問題ないと考えます。

また、本件に関しては、治験責任医師の氏名のみが変更される説明文書の改訂における、治験審査委員会の審査の必要性(2008-05)と被験者の再同意の必要性(2011-32)についての過去の見解もご参照下さい。

このページをシェア

TOP