医薬品評価委員会 2012-32 治験依頼者への原資料複製・複写の提供

関連分類:同意の取得

初回公開年月:2012年11月

質問

弊社が実施したある国際共同試験において、日本では約2年前に全ての治験実施医療機関において治験が終了しています。

このたび、この試験の治験実施計画書で規定され、実施しました眼科検査結果の基となる写真(複製)の提出を米国FDAから求められていると海外の弊社担当者から連絡がありました。治験実施計画書では、この眼科検査は写真を撮影して、その所見を治験担当医師がCRFへ記載することになっていましたが、写真(複製)を治験依頼者に提出することまでは規定されていませんでした。なお、本試験で使用した同意説明文書には、この試験の結果及びその他の情報は、規制当局(厚生労働省、米国FDA等)に提出される旨が記載されています。

弊社としては、実施医療機関に対して写真(複製)提供に関する依頼書(理由書)を提出し、当該実施医療機関の了解を得て対応したいと思います。治験審査委員会における審査、新たな契約書の締結、被験者からの再同意の取得等については不要で考えております。この認識で問題がないかご回答をいただくたくよろしくお願いいたします。

製薬協見解

眼科検査写真(複製)を規制当局へ提出するために、被験者の再同意が必要か否かは、治験参加の同意を取得した際の説明文書の内容に依ります。本治験の説明文書には、本試験の結果及びその他の情報は規制当局に提出される旨が記載されているとのことですので、被験者から得られた情報・データの利用目的は明らかであると思われます。説明文書において、眼科検査結果の収集方法を写真(複製)以外の方法で限定していない限りは、被験者から再同意を取得する必要はないものと考えますが、実施医療機関の長が治験審査委員会の意見を聴く必要があると考える場合には、これを妨げるものではありません。GCPでは、このような場合の契約書の要否を規定していませんので、眼科検査写真(複製)提出の目的、提出先、当該写真の保管管理、返却等を文書で十分に説明し、治験依頼者と実施医療機関が協議の上で契約書の要否を決定すればよいと考えます。

なお、眼科検査の写真(複製)は、被験者を特定することができる情報(氏名、カルテ番号等)をマスクした状態で治験依頼者へ提供されることが前提です。

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