医薬品評価委員会 2012-29 治験審査委員会審査資料の電子化(その2)

関連分類:治験審査委員会

初回公開年月:2012年10月

質問

治験審査委員会(以下、IRB)審査資料の電子化についてうかがいたいことがあります。

今回、当院では、外部サーバーを利用したタブレット端末による審議を検討しています。電子資料は施設端末を介して外部サーバーに格納し、各タブレット端末は電子資料を専用アプリケーションにてサーバーからダウンロードする方法です。この際、電子資料は暗号化されたPDFファイルで専用アプリケーションが無いと開けることができないようになっています。

現在、外部委員へのIRB審査資料の提供については、紙の審査資料を事前に郵送しています。審査資料が電子化されると、タブレット端末を郵送することになります。紛失のリスクについては紙も同様ですが、端末自体の紛失が懸念されます。

この点について、治験依頼者の開発情報等の外部への流失等で、紙と同じ扱いで良いのか、実際紛失した場合の対応について製薬協の見解を伺えますか?

製薬協見解

平成24年3月30日文部科学省・厚生労働省「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」に記載されていますように、治験業務の効率化、負担軽減及び治験コストの低減を図るため、文部科学省及び厚生労働省はIRB審査資料の電子化を推進していくこととしています。日本製薬工業協会としましては、この取り組みを全面的に支持・支援していきたいと考えておりますが、その一方で、実施医療機関及び治験審査委員会の方々には、治験依頼者に帰属する開発品に関する秘密情報(その中には個人情報も含まれていることがあります)を守っていただくことに今後ともご留意をお願いしたいと思います。

タブレット端末紛失時の対応としましては、サーバー上のファイルの移動や削除、紛失した端末からのアクセス(通信)の制限等が考えられますので、システムに応じ可能な限りの措置を講じて頂きたいと思います。さらに、情報元の治験依頼者にただちに連絡することも必要になるかと思います。

また、これらの措置は、既にファイルをインストールした端末を紛失した場合には効果を発揮しませんので、事前に端末本体および電子ファイル双方のセキュリティ確保(パスワードによる保護等)、端末の紛失・盗難防止の徹底といった措置を、しっかりと講じておくことが必要と考えます。

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