医薬品評価委員会 2010-23 説明文書改訂版の治験審査委員会承認までの新規被験者エントリー

関連分類:同意の取得

初回公開年月:2010年08月

質問

当社がサポートする実施医療機関において同意説明文書を改訂することが決定し、当該同意説明文書の改訂が治験責任医師に報告された時点から治験審査委員会(IRB)での承認までの間は、新規の被験者エントリーを不可とするとの指示が本実施医療機関より出されました。IRBは毎月行われていますが、治験責任医師への報告時期、または改訂版の提出期限等により、同意説明文書改訂の頻度が多い治験依頼者に対しては、被験者候補を逃してしまうことになり負担となっています。

上記に代わる方法として、現時点での同意説明文書で同意を取得するとともに、改訂内容を被験者候補に口頭で説明し、当該改訂についての口頭同意を取るというのは問題でしょうか。当該改訂に係るIRBの承認後、できるだけ早い時点で新しい同意同意文書に再同意を頂ければ、被験者の安全性や倫理に問題ないように考えるのですが、やはり実施医療機関の指示通り、エントリーを中止すべきでしょうか。

製薬協見解

GCP第54条第2項/第3項ガイダンス1にある治験継続中の被験者への対応方法を参考にすれば、ご質問にあるような新規の被験者の同意取得方法も一つの方法と考えられます。

しかし、新たな重要な情報を速やかに伝えることはIRB承認という手続きよりも優先されるべき行為であることから、ガイダンスではこれを「既に治験に参加している被験者」に限って認めています。「被験者候補」の方からの同意取得の場合は、基本的にはIRBで承認された改訂説明文書による説明と同意の取得が必要になります。今回の説明文書の改訂がどのような改訂かわかり兼ねますが、改訂内容の重要性を考慮の上で、実施医療機関の長より「新規の被験者エントリーを不可」との指示が出ているのでしたら、その指示に従う必要があると思われます。

なお、新規の被験者エントリーを休止する期間の起点としては、当該説明文書の改訂を治験責任医師が決定した時点であると思われます。

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