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「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「ワクチンの有効性と安全性の考え方 ~疫学の視点から~」
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図10 有害事象と副反応
図10 有害事象と副反応

医薬品の安全性は、製造販売承認を得るための臨床試験で一定程度評価されています。しかし、臨床試験は例数が少ないため非常にまれな有害事象は検知できず、また発生したとしても因果関係が評価できないこともあります。そのため、市販後の医薬品安全性監視によりシグナルを検出することが重要になります。
 ワクチンの場合、定期接種と任意接種のどちらにも副反応の疑いの報告制度があります。定期接種の場合は、予防接種法による「予防接種後副反応疑い報告制度」と呼ばれるもので、「副反応疑い」とは実質、有害事象のことです。任意接種の場合は、医薬品医療機器等法による「副作用報告」です。医療機関、製薬会社は副反応の疑いがある場合は報告を義務付けられており、被接種者やその保護者も報告することができます。報告された事例は厚生科学審議会等で評価され、必要に応じて適切な対応がとられています。

安全性評価の体制整備が必要

疫学的には、予防接種後副反応疑い報告制度や副作用報告といった記述疫学で「シグナル検出」を行い、その後、分析疫学のコホート研究や症例・対照研究、あるいは自己対照法等によって接種していない人と比較した「シグナル評価」を行うことが必要になってきます。何らかのシグナルが検出されてから前向き調査を立ち上げて評価すれば良い、と思われるかもしれませんが、実際には、その事象が社会問題になればなるほどさまざまなバイアスがかかり正しい評価ができなくなります。シグナルを正しく評価するためには、最初からデータベースやシステムを作っておくことが重要です。米国では、Vaccine Safety Datalink(VSD)というシステムがあり、9つのヘルスケア関連組織が米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)と契約し、米国人口の3%にあたる人々の疾病罹患歴やワクチン接種歴等のデータベースが作られています(図11)。これによって、疾病の自然発症率がわかるとともに、ワクチン接種によってその発症率がどれくらい上昇するかを分析することで、統計学的にリスクを評価することができ、ワクチン接種の有益性と安全性のバランスを科学的に判断することができるのです。

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