製薬協について 製薬協について

Topics | トピックス

最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前 pdf
183号タイトル
トピックス画像
前へ1234567次へ
「2017年第8回国際保健医療協力研修フィールドコース」参加報告
line03 line03 line03

【診察室】
 コミューン内の妊婦状況がすべて管理されており、出産予定日を掲示板に記録しています。1人目の出産は黄色、2人目は緑、3人目は赤で示されており、ベトナムでは2人っ子政策が長年続いているため、3人目以降の出産には社会的・経済的制裁が伴います。JICAによる「母子健康手帳全国展開プロジェクト(2011~2014)」で普及した母子手帳が使用されています。

コミューンヘルスステーション診察室

コミューンヘルスステーション診察室

5.全体を通して

上位病院になるほど混雑しており、待合室の椅子に座ることができず、床に寝転んでいる患者さんが目につきました。患者さんは下位病院から受診し、治らなければ上位病院を受診するという決まりになっており、初めから中央レベルの病院を受診すると医療保険外での診療、投薬となります。しかし、病院のレベルにより、提供される医療レベルや薬剤が異なるため、自費でも上位病院を受診する患者さんが多くいます。保険償還できる薬剤の規制緩和と下位病院の医療レベルの向上等、上位病院へ患者さんが集中するという問題に対して、根本的な解決策を考える必要があると感じました。また、入院患者さんの世話は看護師ではなく家族の役割となっており、病院の混雑に拍車をかけていること、入院期間中の家族の宿泊代等、経済的負担が大きいことも解決されるべき課題です。
 他国からの援助により、高度医療機器の導入はされていますが、その後のメンテナンス費用を支払うことが困難で、ホアビン市立病院では1年以上CTが使われていないという現状がありました。企業のデータ収集を目的とした事業であれば、その後のメンテナンス費用も支援されるため稼働させることができますが、支援がなければ使い続けることができないという状況は、大きな問題だと感じました。
 近年、高血圧、糖尿病といった生活習慣病の増加に伴い、慢性腎不全による透析患者が増えています。ホアビン省総合病院やホアビン市立病院では、成果として、人工透析の実施、技術の向上を挙げていました。日本ではクリニックでも行っている治療ですので、ベトナムの医療水準は、日本の1970~80年代と同じくらいであるとイメージすることができます。先進国で問題となっている、がん、認知症に関しては、まだそれほど取り組まれていません。特に認知症は、コミューンヘルスステーションではいないという返答で、最上位のバックマイ病院でさえ、医師に病気という認識はあるものの、病院を受診せず家族がみることが当然とされているという見解でした。

グループワーク

母子保健、医療の質、生活習慣病の3つのグループに分かれて、ホアビン省総合病院のスタッフとともにSWOT分析を用いてグループディスカッションを行い、課題の抽出、それに対する解決策の立案を行いました。グループディスカッション終了後に、ホアビン省保健局の講堂で保健局の副局長やホアビン省総合病院の病院長、診療科長等を招き、各グループの発表会を行いました。病院長からは、提案内容に対して「参考にしたい」という言葉もあり、わずかではありますが、前進のきっかけになることができたことを嬉しく思います。

前へ1234567次へ
最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前

このページのトップへ