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シンポジウム「創薬研究者の視点 ~イノベーションを求めて~」を開催
JPMA・PhRMA・EFPIA共同による、日米欧創薬研究者からの創薬に挑む現状の課題と弛まぬ情熱を伝える
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ブッシュ氏からは、「幾度も失敗を繰り返したものの、自分が立てた化合物の作用機序の仮説を信じて放棄することなく最終的に上市し、患者さんの元に送り届けることができたとき、「決して諦めず信念を貫くこと」の大切さを再認識した」とのコメントがありました。スコヴロンスキー氏からは、「試験管での効果が人体でも確認できたときが自身にとって決定的瞬間であったことに加え、アルツハイマー病が画像診断できるようになり、病態の解明が飛躍的に進んだことは、科学者として一番エキサイティングなことであった」とのコメントがありました。
 次に、イノベーションを起こす過程でコラボレーションが及ぼす貢献についての経験を尋ねたところ、トゥイマン氏は、「アルツハイマー病治療薬開発の分野では、近年グローバルなコラボレーションが大変緊密であり、バイオマーカー等のツール作りが進展し、脳内の変化を測定することができるようになり、データ共有が進展して病態の理解が進むことが期待される」と述べました。また、コリンズ氏は、「C型肝炎およびHIVの患者団体から一刻も早い承認が実現するよう切実に懇願され、研究者として心打たれたこと、C型肝炎治療には複数の薬剤併用が重要となってくるが、まずは一つひとつの薬剤承認が認められなければならないため、患者さん、大学、行政が一緒になって開発を支援していくコラボレーションが極めて重要であったこと、「顧みられない病気」(ND)の治療薬を製薬企業単独で開発することは困難であるため、コラボレーションが不可欠となる」といったコメントがありました。
 池浦委員長は、企業間のコラボレーションについて製薬協の中でタスクフォースを作り、トピックスを決めて議論をしている段階にあり、たとえば安全性における毒性試験データを集めることで不要な化合物を落とすということが参加者共通のメリットとなる等、非競争分野でのコラボレーションが大いに議論されている現状を紹介しました。
 ブッシュ氏はさらに、 欧州製薬団体連合会(EFPIA)会員企業とパブリックの折半出資で運営されているIM(I Innovative Medicines Initiative)に言及し、企業同士によるコラボレーションのみならず、異なるセクターを巻き込んだコンソーシアムによる成功例として紹介しました。
 加えて、「異なるセクター間のコラボレーションについて」は、菅氏が、「大学と製薬企業という枠組みではなく、大学発のベンチャーと製薬企業とのコラボレーションをペプチドリーム社が実践している中で、製薬企業からさまざまな情報とアドバイスを受けることでベンチャーとして成長できたと実感している」とコメントしました。

次に、「日本の強みはなにか?」というモデレーターからの質問に、トゥイマン氏は、日本は基礎研究において優秀な科学者と化学者が多く、 バ イオベンチャー 設立の機会 を 有しており、そ れ を 実現するために2つの海外事例 を 紹介し、「(1)Dementia Discovery Fundのように製薬企業、キャピタリスト、銀行等が共同投資する方法はリスクを抑え、ビジネス立ち上げを促し、(2)多くの企業が出資するIMIのような研究基金、つまりprecompetitive partnership(基礎研究パートナーシップ)が最も費用がかさむ臨床試験の開発リスクを低下できる」と述べました。スコヴロンスキー氏も、「同様に基礎研究面で優秀な科学と化学の研究者が揃っていて、臨床開発においても日本のインベスティゲーターが優秀であり成功を収めているものが多い」と言及しつつも、基礎から医薬品上市までつなぐ段階、つまりベンチャーキャピタル資金の獲得という面において、欧米と比較すると課題があると指摘しました。
 スコヴロンスキー氏の指摘を受けて、「日本のアカデミア創薬/ベンチャー創薬に足りないものはなにか」について、菅氏は「欧米の後追いではなく、圧倒的にユニークなものが無いと勝ち抜けないし、それが足りないのではないかと感じている」と答えました。

最後にモデレーターが、いろいろなセクターが協力することによる効率化とコスト低減について自由に発言を求めました。
 ブッシュ氏、コリンズ氏、スコヴロンスキー氏からは、「革新的なデジタル医療、デジタル技術は医薬品開発に大きな変化をもたらす可能性があり、これを見逃してはならない。競争は医薬品価格を引き下げることでコストを低下させ、かつイノベーションを促す重要なドライバーになる。患者さんがなにを本当に求めているのかを追求しないと医薬品の価値は上がらない」という内容のコメントがありました。菅氏からは、「オープンイノベーションを実践するのは難しく、企業は慎重になっている。どのようにそれを実現していくのかその方策を考えていく必要がある」というコメントがありました。そして最後に池浦氏は、「日本のコラボレーションはまだまだ1対1の関係であり、それを複数に広げていく必要がある。そのためのコミュニティ作り、フレームワーク作りが必要であり、そのフレームワークがあれば、その中でおのおのが自分の力を発揮してイノベーションを推進していけると考える」と述べました。

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