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市民・患者とむすぶ

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「第32回、第33回 製薬協 患者団体セミナー」を開催
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患者市民の医療への参画を進めるための取り組み

COML創始者である辻本好子の「これからますます患者の視点が求められてくる。さらには模擬患者や病院ボランティア等患者参画はもっと増えてくる。そういった場合に、医療のことを理解したうえで深く参加することが必要になってくるのではないか」という想いを受け継ぎ、「医療をささえる市民養成講座」を2009年から実施しています。一般の方々が医療に参画するにはどのような活動があるのかということを知ってもらい、医療の基本を学んでもらい、自らも賢くなってもらうことを目的として3時間の5回コースで実施しています。開始当時、新聞で告知をしたところ、掲載した日の午前中にすべての定員が埋まってしまい、急遽枠を増やしたところ、初回だけで120名の参加がありました。これまでに5回すべて受講した方は延べ350名を超えており、単発受講の方を含めると400名を超える方が受講しています。医療への関心が高い方がこんなに潜在的に多くいたのかと、主催者としてとても驚いています。参加者に動機を聞いてみたところ「医療にまつわる何かがしたい、お世話になった恩返しがしたい、患者の経験はないがもっと医療のことを知りたい、学びたい…」といった内容が寄せられました。
 こういった気持ちをもっている人が増えることで、協働できる冷静な患者を増やしていくことにつながっていくのではないかと実感しています。医療への意識が変わることで、これまで個人的な問題だった医療が、社会への視野を含めた課題としての気づきになり、社会を視野に入れた行動のできる患者が増えることが大切だと思います。

患者・市民の委員養成・バンク化構想について

各都道府県の審議会、厚労省・文部科学省等の国の機関、治験や臨床研究の倫理審査委員会等において、一般の外部委員の出席が求められるケースが増えています。私は現在、さまざまな機関等から委員の要請を受けて80を超える委員会に出席しています。今後はもっと多くの一般の方が意見を言うことが大事だと考えており、意見を言える委員を養成する必要があると考えていました。
 COMLでは、2016年度、東京大学医科学研究所教授の武藤香織氏とコラボレーションで「倫理審査委員養成講座」をトライアルで実施し、2017年度からはCOML独自で「医療関係会議の一般委員養成講座」を実施しています。本講座では1回3時間の7回講座で、会議で発言できるディベートの訓練や厚労省の検討会等の傍聴報告会を開催した後、2回に分けて傍聴検討会を実施しています。この傍聴検討会には専門委員として医療者や医療関係団体、事務局として厚労省からの協力があり実施しています。実施後は外部委員の方とCOMLで受講生の採点をして、合格者は委員のバンクに登録することとしています。2017年12月から、2017年度の後期分を開催することとしています。

患者力を高める団体になるために

患者を取り巻く医療の課題について、これまで患者側は主体的に考えていなかったと思います。医療安全対策や救急医療の危機等の問題は医療者や行政が考えることだと思っていました。
 ただ、今は違っていて、行政や医療者だけでなく、住民や患者も地域の医療の現状を知り、理解することが求められています。かつて医療者にすべて主導権があった時代から、今は患者と医療者が協働しなければならないという流れに変わってきました。そして、今まで見過ごされてきた利用者の視点がやっぱり大事だと言われるようになってきました。ところが、利用者の視点が大事だから入ってくださいと言われて参加しても、単に個人的な経験や思いつきの提案を言うだけでは意味がないと言われてしまいます。だとすれば、冷静かつ客観的な意見を言える人が今求められているわけです。つまり、これまで以上に医療を理解し、医療に深く参加して協働できる患者市民の必要性が今問われています。
 患者力を高めることを考えたときに、患者団体のみなさんは特定の疾患については詳しいことと思いますが、さらに視野を広げていただき、医療の制度や仕組みについても理解していくことが大事ではないかと思います。私は何よりも医療の不確実性と限界について直面する27年間を送ってきました。結果、医療に対して過度な期待を抱くことはなくなりました。でも、あきらめてもいません。冷静に医療と向き合うためには医療の現実を知ることが重要ではないかと思っています。そして協働の姿勢を保ったうえで、たとえばいろいろな患者会の人の輪の中で、疾患のことが目的でない場合にはゆるやかな患者会の連携をそろそろ始めていくことで、大きな力になるのではないかと思います。なにをするうえでもコミュニケーション能力は問われるわけで、会議に出席して発言するにもコミュニケーション能力が問われてきます。個々の患者会でもコミュニケーション能力を高めることで、メンバーの意識を高めることにつながるのではないかと思います。本日の講演が患者会のみなさんの患者力を高めるための、なにかのヒントになればと思います。

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