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「2017 ライフサイエンス知財フォーラム」を開催
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医療機器メーカーとしての経験から実例を挙げて紹介します。医療機器は使用方法を伴い成立しますが、細胞製品では新たな手術等の医療行為の開発も必要になります。ハートシートでは、患者さんから骨格筋を採取することは医療行為です。その後の分離、培養、保存するのはGCTP製造で、最後の移植は医療行為となります。また、ハートシートは脆弱なため、現時点では、移植前に医療機関で細胞をシート状に調製する作業も必要となります。この商品は特殊な事例となりますが、細胞シート製品と病院でシート化するキット製品のどちらもあり得ることになります。また、シート化が病院の中で行われるので、先生方からの出願も考えられます。このように医療行為と製造業の重複が区別しにくい部分もあり、ノウハウとして方法を保護することに加えて、医師に開示されるシート化条件等の製造方法の権利保護も必要となりました。このため、特許の存続期間延長が再生医療等製品でも認められたので、この制度も利用しています。
 これまでは、基礎研究やメーカーの技術開発から積み上げた課題解決型の知財を主に考えていきましたが、再生医療では医療行為の成立も重要なため、医療と産業の両方向から価値を作っていく新たな価値連鎖モデルが、この事業には必要と考えています。

経済産業省 商務情報政策局 生物化学産業課長 西村 秀隆 氏
■講演2

再生医療の更なる充実に向けた政策展開
経済産業省 商務情報政策局 生物化学産業課長 西村 秀隆
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医療分野は、日本政府としては、文部科学省・厚生労働省・経済産業省・内閣官房がタッグを組んで推進しています。2015年春に体制が充実され、各省庁が独立して行う支援から、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)という組織もでき、政府が一丸となって支援する体制が整備されました。
 再生医療はこれから期待されている産業です。私の部署は、バイオテクノロジー全般を担当しています。バイオ分野ではものすごい勢いで革新が起きています。それが如実に表れているのが、再生医療や医薬品です。再生医療については、今まさに立ち上がろうとしているものを、いかに力強く立ち上げるか、経産省としても、それをどう手伝うかが大事であると考えています。
 医療分野は非常に重要な分野であり、国民の健康増進、医療費の効率化、こうしたことに資する良い技術やシーズを支援していきたいと考えています。産業としても伸びていき、将来の柱になり得る業界となるでしょう。より早く、より効果的に、より優しく、これを実現しながら、産業としても育っていってほしいと考えています。
 日本が再生医療分野で世界をリードしていくことを期待しています。2014年に大きな法改正があり、日本は世界から注目される国になりました。条件・期限付承認制度の導入や培養の外部委託が可能になり、この分野に対する国際的な関心が高まっています。日本は、世界で2位の市場規模であり、高いレベルのアカデミアの基礎研究があり、いろいろなポテンシャルをもった企業が集積しています。また、誠実な国民であるため信頼性のおける治験環境もあり、日本は再生医療製品開発の新しいモデルを提案するのに良い条件がそろっていると感じます。これらを意識しながらいろいろな施策を進めたいと思っています。
 いわゆる薬と再生医療では、求められる知財システムが異なります。患者さんから細胞を採取し、培養し、患者さんに戻すまでには、非常に多くのテクノロジーが関係しないと本当に良いものを届けられません。だからこそ日本が適していると感じますし、新しい連携のあり方や知財のシステムのあり方が求められると思います。製薬系の会社だけでなく、機械、化学系、物流等、広がりのある産業がこの分野を支えていくことになるでしょう。
 経産省としては、研究開発を応援し、産業基盤の整備・事業環境の整備に力を入れています。たとえば、外国企業を日本に呼び込んで、日本から良いものを生み出してもらうための環境づくりにも取り組んでいます。また、製造技術や評価手法の確立を応援しています。2017年度から再生医療技術を使って創薬に応用していく橋渡しのプロジェクトも開始する予定です。医薬品候補の安全性等を評価するプラットフォーム技術を確立し、開発中止リスクの低減、開発費用の削減、開発期間の短縮に貢献できるとうれしいと思っています。また、再生分野の産業化を後押しするため、産業集積の形成に対する支援も展開しています。
 こうした一連の施策の展開を通じて、日本を再生医療製品開発の世界的なハブにしていきたいと考えています。

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