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「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「最新のがん治療 ―がん免疫療法―」
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免疫療法のメカニズム

本日は臨床応用が進んでいる、免疫チェックポイント阻害剤を中心に話をしていきたいと思います。
 免疫系は、異物に対する生体の防御機構です。異物が入ってきたらそれを排除する、つまり非自己を排除して自己には反応しない機構です。インフルエンザに感染した時に、3~4日するとインフルエンザウイルスを排除できるのは免疫系が作動するからです。一方で、自己に対しては免疫応答を起こさないという巧妙な仕組みをもっています。では、がん細胞はどうでしょう。がん細胞を異物であると認識すれば、免疫系は排除にかかるし、自己だと認識すれば、残念ながら無視してしまいます。
 ところが免疫系は稀に暴走します。免疫系が暴走すると、自己免疫疾患やアレルギー疾患を引き起こします。これをコントロールするために、私たちの体は免疫応答を抑える多くの機構を備えています。
 免疫系を2つに分けると、自然免疫と獲得免疫に分かれます。私たちの体に異物が侵入すると、すぐに作動するのが自然免疫です。その後、得られた異物の情報に基づいて抗体を作らせたり、感染した細胞を攻撃するT細胞を誘導するのが獲得免疫です。自然免疫にかかわるのは、マクロファージ、好中球、ナチュラルキラー細胞といった細胞です。この攻撃が確実にすべての異物を排除できれば良いのですが、突破される可能は往々にしてあり、そのために備えられているのが獲得免疫です。つまり自然免疫が突破されても、さらに重厚な防御機能が備わっているわけです。
 自然免疫は、異物が侵入してきた際、攻撃するだけではなく、この情報を獲得免疫に伝えます。この異物の情報を伝えるのが抗原提示細胞です。この抗原提示細胞の情報に基づきTリンパ球、Bリンパ球は抗原の情報を得て活性化され、ウイルスや細菌を排除します。
 このとき、私たちの獲得免疫機構は、異物の情報を伝えられ、その情報に合致したもののみを攻撃するので、自然免疫と比べかなり特異的に活性化します。こういった免疫系は必ずすべての異物に、1対1の対応で反応します。
 がんであればがんに特異的なリンパ球が必要になってきます。がんに対する免疫を自然免疫と獲得免疫に分けると、図1の流れになります。

図1 自然免疫と獲得免疫

図1 自然免疫と獲得免疫
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