製薬協について 製薬協について

寄稿

最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前 pdf
167号タイトル
寄稿カテゴリ画像
前へ123次へ
臨床薬理学会海外研修を終えて
~ドイツで “お茶” に関する研究~
line03 line03 line03

2012年9月から2014年8月まで、ドイツ バイエルン州にあるフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク(以下、エアランゲン大学)のInstitute of Clinical and Experimental Pharmacology and Toxicologyにおいて、Martin Fromm教授の指導のもと2年間研修を行いました。テーマはビールの国ドイツのイメージとはかけ離れた(?)お茶に関する研究です。今回、レポート執筆の機会をいただきましたので、留学先の様子と研究内容について報告します。


三坂 眞元 (福島県立医科大学 医学部 薬理学講座 助教)

エアランゲンについて

エアランゲン(Erlangen)はフランクフルトの南東、バイエルン州の中では北部にあたり、クリスマスマーケットで有名なニュルンベルクから北西約20 kmに位置します。周辺はフランケン地方と呼ばれ、なだらかでのどかな田園地帯が続いています。人々は自分たちのことをフランケン人、話す言葉はフランケン語、料理はフランケン料理であるといい、同じバイエルン州であってもミュンヘンなど南部とは違うアイデンティティーをもっているようです。また、独特な形をしたボトルが特徴的の、硬派な白ワインであるフランケンワインの産地でもあります。
 エアランゲンの人口は約10万人で、街の中心に留学先の大学が立地しており、ハイデルベルクなどと同様にいわゆる大学町となっています。さらにエアランゲンには、補聴器や鉄道車両メーカーとして知られるSIEMENSの本社があり、エアランゲンに住む人のほとんどは大学かSIEMENSに関係があるといわれています。また隣町にはスポーツメーカーadidasやベアリングメーカーSHAEFFLERの本社があり、それら企業に日本から赴任してきている方々もいるため、エアランゲンはその人口の割に日本人の数は多いように感じました。ドイツに行く前に2歳になったばかりの子どもも一緒でしたので、現地で週1回開かれる日本人の子どもたちの集まりはなんのつてもなかった私たち家族にとって生活基盤を確立するうえでも、また精神的にも大きな助けとなりました。

観覧車から見たエアランゲンの町並み
観覧車からみたエアランゲンの街並み

エアランゲン大学について

エアランゲン大学は1743年に設立されたバイエルン州で2番目の規模をもつ総合大学です。理系学部では医学部のほかに工学部と理学部があり、薬学部は理学部の中の1学科として存在していました。私が所属していた研究所は4階建ての独立した建物で、1階が臨床薬理学講座、2階が基礎薬理学講座、地下と3階以上が共同利用の実験室やオフィスが入っています。
 留学生も多く、私がドイツに渡った直後に通ったドイツ語の短期集中講座には、スペイン、イラン、南アフリカ、ナイジェリア、インド、パキスタンの学生がいました。特にインドからの留学生はほかのクラスを見回しても多いような印象を受けました。3週間という短い期間でしたがさまざまな国の学生たちと毎日机を並べて、それぞれのお国柄も感じながらドイツ語を一緒に学べたのはとても良い思い出となっています。また日本の大学から語学留学で来ている学生の姿もたびたびみかけました。
 ドイツらしさといえば研究所に隣接して地元のビール工場があったことでしょうか。歩いて数分もかからない場所にある附属のビアレストランは歓迎ランチや送迎ランチに連れて行ってもらうほど、皆さんの行きつけとなっていました。私にとって意外だったのは昼食では皆さんビールを飲まないということでした。なんとなくドイツでは昼間からビールを飲んでいるイメージがありましたが、実際はそうとも限らないことがわかりました。
 臨床薬理学講座には研究所長 教授のFromm氏のほかに2名の教授が在籍しておりましたが、ドイツでは日本の助教にあたる明確な教育職ポストがないため、研究室内で同室だった博士のFabian Müller氏は学生への講義を受けもっているにもかかわらずポスドクということでした。ドイツの教育職制度は改革が進められているようですが、若手研究者のキャリアは流動的(言い方を変えれば不安定)なようで、彼もまた私の留学中に製薬企業へと転職していきました。

前へ123次へ
最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前

このページのトップへ