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CIOMSワーキング・グループ Ⅵ 報告書 第4章より
「臨床試験における安全性データの収集と管理」の紹介 第1回〈全3回〉
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医薬品評価委員会 データサイエンス部会 

小宮山 靖、酒井 弘憲、松下 泰之、兼山 達也

国際医学団体協議会(Council for International Organization of Medical Sciences、CIOMS)のワーキング・グループⅥが2005年に公表した報告書は、臨床試験中の安全性情報の取り扱いに焦点を当てたものでした。中でも第4章は、臨床試験や臨床研究における安全性情報の収集や管理について、その原則を述べたものです。ここに記された原則は、開発段階の臨床試験のみならず、市販後に行われる調査や研究、臨床試験においても適用できるもので、医薬品の開発から市販後まで安全性情報を扱うすべての方々に有用と考えられます。そこで、邦訳を3回に分けて連載することとしました。なお邦訳は、CIOMSから許諾を得ておりますが、原著の著作権はCIOMSに帰属することにご留意ください。

[訳者注]

本連載を読んでCIOMSワーキング・グループ Ⅵ 報告書全体に興味をもった場合、原著は購入できます。くすりの適正使用協議会薬剤疫学部会海外情報研究会が監訳した「臨床試験からの安全性情報の取扱い―CIOMS Working Group6報告」も販売されています。

第4章のテーブル
 第4章 臨床試験における安全性データの収集と管理
第1回
a. 序文
第2回
d. どのように?
  1. 一般的考察概論
  2. 重篤な臨床的有害事象と
  他の重要な有害事象
b. 誰が?
c. 何を?
  1. 一般的な原則
  2. 因果関係評価
e. いつ?
第2回
  3. 報告すべきは診断名か症状・兆候か
  4. 特に注目すべき有害事象
  5. 臨床検査値
  6. 有効なエンドポイントとしての
  罹患率と死亡率
  7. 特別な状況
第3回
f. 安全性データ管理の留意点
  1. 有害事象の臨床的記述
  2. コード化の手順
  3. 割付け情報が明らかになった
  データの扱い
  4. データ処理上の問題
a. 序文

医薬品の臨床開発全体にわたり、安全性データは、症例報告書(Case Report Form、CRF)や重篤な有害事象報告書、臨床検査結果などを用いて収集される。収集の手段は、紙や電子媒体の場合もあるし、電話の場合もある。臨床試験の実施中にどのようにデータを収集するかは、安全性モニタリングの過程で最も重要な課題であり、研究にかかわる医師、スポンサー、規制当局、患者にとっての関心事である。
 個別症例についても、集積されたデータの分析においても、医学的解釈を適切に行えるよう、データは正しく収集されなければならない[1][2]。どのような安全性データを、どのような場合に収集すべきかは、予測される利用目的と被験薬に対する危惧を慎重に検討して決めるべきである[3][4]。スポンサーは、あらゆる情報を収集しておこうとして、実際に解析に必要とされる以上のデータを収集しがちである[5]。このことが、医師やスポンサー自身に必要以上に負担をかけることにもなるし、試験の実施中やモニタリング時に、より重要な問題から注意をそらさせる可能性もある。解析され評価されることが合理的に予想されるデータのみ収集することを目標とするべきである。とはいえ、第Ⅰ相から第Ⅲ相までに安全性データをより広範囲に収集することは賢明な姿勢である。対照的に第Ⅳ相、特に安全性プロファイルがよく確立されている化合物では、非重篤な有害事象や過剰な臨床検査値を収集しても、すでに得られている知見に新たな価値を追加することはほとんどない。

mark [1]
Morse MA, Califf RM and Sugarman J. Monitoring and ensuring safety during clinical research. Journal of the American Medical Association 2001; 285: 1201-1205.
mark [2]
Moody LE and McMillan S. Maintaining data integrity in randomized clinical trials. Nursing Research 2002; 51(2): 129-133 .
mark [3]
Enas GG and Goldstein DJ. Defining, monitoring and combining safety information in clinical trials. Statistics in Medicine 1995; 14(9): 1099-1111.
mark [4]
Ioannidis JPA and Lau J, Completeness of safety reporting in randomized trials. Journal of the American Medical Association 2001; 285: 437-443.
mark [5]
Salsburg D. Deming Principles Applied to Processing Data from Case Report Forms. Drug Information Journal 2002; 36: 135-141.
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