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国際共同治験の実施状況

— 実施試験数による分析 —

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日本において国際共同治験が本格的に実施されるようになって数年が経過しました。2009年には日本で実施される治験に占める国際共同治験は20%に達し、その後はほぼ同じレベルで推移しています。一方で、外資系大手製薬企業が実施する国際共同治験では、日本の参加試験数や実施施設数が最低限になるよう本国から求められたり、試験規模の小さい早期試験に日本が参画することが難しいといったような報告[1]もあります。そこで、日本および世界各国で国際共同治験がどのように実施されているのかを分析すべく、各国における国際共同治験の実施試験数および実施施設数[2]を調査しました。

mark [1]
第13回CRCと臨床試験のあり方を考える会議、シンポジウム「日本の国際競争力を高めるためにできること」
(2013年9月16日)

 調査対象は、日米欧の30社[3]を対象企業とし、アメリカ国立衛生研究所(NIH)などによって運営されている臨床試験登録システム(ClinicalTrials.gov)にSponsorまたはCollaboratorとして登録されているフェーズⅡおよびフェーズⅢ試験[4]のうち、治験開始年(Start Date)が2008〜2012年で、実施施設の所在地(Location)が記載されている4,751試験としました(2013年10月30日時点)。なお、本稿では実施国が2ヵ所以上登録されている試験を国際共同治験(2,347試験)、実施国が1ヵ所の試験を単一国治験(2,404試験)と定義しました。

mark [2]
実施施設数は、ClinicalTrials.govに登録されている“Locations”の数をカウントし、これを実施施設数に読み替えて集計している。なお、企業によって実施施設の登録内容に差があることに留意する必要がある。
国際共同治験の実施国

 表1は日米欧の各上位10社の計30社による国際共同治験の実施試験数を国別に分けて、上位30ヵ国を示したものです。また同表はその国におけるフェーズⅡとフェーズⅢの比率を示しています。実施試験数はアメリカが圧倒的に多く、ドイツ、カナダ、スペイン、フランスなどの北アメリカやヨーロッパの先進国が上位にランクインしています。それ以外に中国(40位195試験)を除くBRICs諸国やオーストラリアなどもトップ30に入っていました。日本は24位であり、アジアの韓国や台湾、そして南米のアルゼンチンやブラジルの下位にありました。
 図1は日本、アメリカ、イギリス、韓国を抜粋して、試験数の順位を年次ごとに示しています。総試験数が大きく変化していない中で2009年以降は各国とも順位、試験数ともほぼ同じように推移していました。
 フェーズⅡとフェーズⅢの割合については、フェーズⅡの比率が北アメリカやヨーロッパ主要5ヵ国では37.8%~44.7%と高い水準であり、東ヨーロッパ諸国のポーランド、ハンガリー、チェコ、ブルガリアでは30.6~35.1%、旧ソ連のウクライナでは27.2%、ロシアでは26.4%、南米のアルゼンチンでは23.7%、ブラジルでは22.7%、インドでは19.0%、またランク外の中国では11.8%となっています。日本の比率は28.2%で、欧米先進国や韓国(32.7%)などと比べると、日本におけるフェーズⅡの比率が低いことがわかりました。

mark [3]
対象企業は、新薬開発を主に行う2012年売上上位(IMS World Review)の日本企業10社、アメリカ企業10社、ヨーロッパ企業10社とした。
日本企業 : 武田薬品工業、第一三共、大塚製薬、アステラス製薬、エーザイ、田辺三菱製薬、大日本住友製薬、協和発酵キリン、塩野義製薬、小野薬品工業
アメリカ企業 : Pfizer、Merck & Co、Johnson & Johnson、Abbott、Eli Lilly、Amgen、Bristol-Myers Squibb、Gilead Sciences、Baxter、Mundipharma
ヨーロッパ企業 : Novartis、Sanofi、Roche、GlaxoSmithKline、AstraZeneca、Boehringer Ingelheim、Bayer、Novo Nordisk、Merck KGaA、Shire
mark [4]
フェーズⅠ/ⅡはフェーズⅡに、フェーズⅡ/ⅢはフェーズⅢに含めて集計している。
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