医療健康分野のビッグデータ活用研究会報告書 vol.5

森田 正実(医薬産業政策研究所 統括研究員)
佐々木 隆之(医薬産業政策研究所 主任研究員)
中塚 靖彦(医薬産業政策研究所 主任研究員)

(2020年06月発行)

当研究会では、医療健康分野のビッグデータ活用について2015年度より調査研究を継続して実施し、年度報告書を作成してきた。2019年度は、価値を生み出す源泉である「データの要素」に着目している。データ駆動型社会では、データ活用が自律的・継続的に発展する「データエコシステム」の形成が重要であり、その実現には、実際に使えるデータを生み出すこと、またデータへのアクセス性が高まることが前提になる。こうした視点から、特にデータの「クオリティ」と「アクセシビリティ」の要素を中心テーマと設定し、「データエコシステム」の創出をいかに実現していくかという視点から調査研究を行った。

医療ヘルスケアの「データエコシステム」で主役となるのは「デジタル化された患者・生活者のデータ」である。電子カルテや画像データ等の医療情報に始まり、ゲノム情報、健診・検診データや生活・行動データなどのPersonal Health Record(PHR)も含めた多様な情報が対象となる。これらのデータが実際に使えるデータとして生み出されるためには、利用目的に応じた質の確保や、連結・相互運用の可能性を高めるとともに、データへのアクセス性を高め、データから創出された価値や成果が速やかにフィードバックされる環境を整備することが必要となる。

こうした視点から、データ駆動型ヘルスケアの実現をさらに進展させるための3つの観点を重要な方策としてまとめた。詳細な情報は、報告書本編を参照ください。

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