


くすりをつくる技術は日々進歩してます。未来には、現在治すことが難しい病気にも効(き)くくすりが出来るかもしれない。

病院やドラッグストアで購入(こうにゅう)しているくすりの99%近くは、実は50年ほど前には世の中に存在(そんざい)していませんでした。今あるくすりのほとんどが、この50年あまりの間に新しく開発されたものなのです。
いろいろなくすりがつくられるようになった理由には、科学の進歩により病気になる原因や仕組みがわかってきたこと、くすりをつくるための知識や技術が発達したこと、そして、コンピュータをはじめとするすぐれた機械の誕生(たんじょう)により、くすりづくりが効率的に行われるようになったことが考えられます。



一度世の中に出たあとでも、くすりは日々育てられているのです。

くすりはこれまでに多くの病気を治療(ちりょう)する際に役立ってきました。しかし、まだ治療薬(ちりょうやく)がない病気はたくさんあり、このような病気に対する新しいくすりの開発が期待されています。
また、今後お年寄りが増えていく日本にとって、お年寄りの病気を予防・治療(ちりょう)するくすりをつくることも、とても重要になってきています。
現在、このような期待に応えることのできる、有効性と安全性の高いくすりの研究・開発が進められています。1人でも多くの患者(かんじゃ)さんを治すために、くすりはこれからも絶えず進化を続けていくのです。



人は年をとると動作がゆっくりになり、くすりを飲みこんだり、くすりを指先でつまんだりするのが苦手になります。
最近では、口に入れるとラムネのおかしのようにフワッととける錠剤(じょうざい)もあります。こうした工夫によって少しぐらい大きな錠剤(じょうざい) ものどに引っかかる心配がありません。他に、ゼリーや水あめのような飲みやすいくすりの研究も進められています。

今、1人1人に合わせた治療(ちりょう)をおこなう「オーダーメイド医療(いりょう)」が注目されています。
同じくすりを飲んでも、効果が現れる人とそうでない人、副作用がでる人とでない人など、反応には個人差があります。しかし、患者さんの遺伝子(いでんし)を調べることによって、その人により適したくすりを見つけることができるようになりつつあります。このように、患者(かんじゃ)さんの遺伝子(いでんし)タイプを診断(しんだん)し、患者(かんじゃ) さん1人1人に合うくすりを見つけて治療(ちりょう)に生かす医療(いりょう)がオーダーメイド医療(いりょう)のひとつです。
オーダーメイド医療(いりょう)は、効果のでる人、でない人、副作用のでそうな人、でない人をあらかじめ予測して、くすりを選び治療(ちりょう)するという、くすりによる治療(ちりょう)の新しい形として、今後の成果が期待されています。

