医薬品評価委員会 2008-19 説明文書における安全性情報の記載方法

関連分類:同意の取得

初回公開年月:2009年01月

質問

  1. 1.
    被験者への説明文書中での副作用の記載方法が、治験依頼者毎に異なるのですが、一定のガイドラインはありますか。
  2. 2.
    外資の治験依頼者は、一般に頻度別に記載し、さらに重い副作用(CTCグレード3、4以上)と重篤な副作用をつけてくる。最近は○%以上、○%以下、とおおまかに分けて記載してくるのみで、当院で重篤な副作用を治験薬概要書から同定して追加してもらっています。米国Natoinal Cancer Instituteのホームページには、重篤な副作用を同定できるように書くとテンプレートにあったのですが、日本では重篤なものを特記しなくてもよいのですか。私は、患者さんにとっては必要な情報と考えています。また、説明文書に記載するのは、重症なものとどちらがよいのでしょう。
  3. 3.
    内資の治験依頼者は、表にして、全てのグレードの頻度と重症(CTC3、4以上)なものの頻度を書いています。治験薬概要書から重篤な副作用という項目が見つからないことがあるのですが、そういったデータはどのようになっていますか。補償は抗がん剤の場合、「重篤で未知な場合のみ補償します」となっているので、重症な副作用=重篤な副作用と解釈しているのでしょうか。

製薬協見解

ご質問の1について

説明文書は治験責任医師が作成することとなっており、GCP第51条第1項にその記載事項が規定されています。しかしながら、個々の事項に対する記載内容の詳細や、ご質問頂きました記載しておくべき副作用の範囲についてのガイドラインはありません。

ご質問の2について

説明文書には、「予測される被験者に対する不利益」を記載する必要がありますが、その範囲、レベル等についてはGCP省令及び関連通知等による規定はありません。治験依頼者は治験責任医師となるべき者が説明文書を作成するのに必要な資料・情報を提供いたします。これらの資料・情報を基に、治験責任医師が治験に参加するにあたって被験者に対して十分説明しておく必要があると考える情報を記載して説明文書を作成します。さらに、治験審査委員会にて説明文書の記載内容が適切か否かについて審議されることになります。したがいまして、これら治験責任医師及び治験審査委員会により、記載すべき副作用の範囲、レベルが判断されるものと考えられます。

ちなみに、あくまで参考情報の域を越えませんが、患者や国民への医療用医薬品の情報の提供等に対して、平成17年6月30日付け薬食発第0630001号厚生労働省医薬食品局長通知「「患者向医薬品ガイドの作成要領」について」では、副作用に関する事項としまして、直ちに医師に相談すべき症状として「重大な副作用を全て記載すること」とされています。

ご質問の3について

治験薬概要書に記載されている副作用等の安全性情報が、適切に説明文書に記載されているか否かについて、不明な箇所がありましたら治験依頼者にご確認ください。また、補償の範囲につきましても治験ごとに異なりますので、治験依頼者にご確認ください。

なお、同意説明文書の記載方法に関するガイドラインはありませんが、医療機関としての説明文書作成上の留意点やQ&Aなどがありましたら、それらをホームページ等で公表頂けると、説明文書の作成がより円滑に行われるものと考えます。

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