医薬品評価委員会 2017-76 有害事象と治験薬との因果関係の定義

関連分類:副作用等報告

初回公開年月:2018年03月
改訂公開年月:2021年03月

質問

当院で使用している「重篤な有害事象に関する報告書」において、有害事象の因果関係は「否定できない」「否定できる」の二者選択式となっているため、明確に因果関係を否定できる根拠となりうるものがない限りは、不明も含めた意味で「否定できない」を選択しております。

しかし、近年グローバル試験ではUS FDAのルールを使用するため、明らかに因果関係があるもの以外は因果関係なしの判断を求められます。そうすると、EDC等で治験依頼者に報告したものと、治験審査委員会へ提出する報告書で因果関係に齟齬が生じてしまい大変困っています。何か良い打開策等ございましたら、ご教示いただければ幸いです。

製薬協見解

通常、治験薬と有害事象との因果関係の評価については、治験依頼者が実施医療機関へ提供する治験実施計画書等の文書において評価基準が規定されています。したがって、治験責任医師等は、治験実施計画書等に規定された基準に基づき、因果関係を評価することが必要です。

貴院の「重篤な有害事象に関する報告書」における因果関係の記載様式と、治験実施計画書に規定されたものが異なるとのことですが、因果関係は規制当局への報告要否判断に関わる等重要な情報であり、同一の事象を治験依頼者および実施医療機関の長へ報告するにあたり、異なる基準により評価した因果関係を報告することは好ましくありません。したがって、実施医療機関の長への報告に際しても、治験実施計画書の基準に則り評価した因果関係を報告することが望ましいと考えます。

なお、GCP第2条ガイダンス18(10)において、副作用とは治験薬と有害事象との因果関係について、少なくとも合理的な関連性があり、因果関係を否定できないものとされていますのでご留意ください。

見解改訂理由

GCPガイダンス(令和2年8月31日薬生薬審発0831第15号)の発出に伴い、軽微な記載整備を行いました。

このページをシェア

TOP