医薬品評価委員会 2013-10 治験責任医師の治験審査委員会への出席(その2)

関連分類:治験審査委員会

初回公開年月:2013年07月

質問

治験審査委員会(以下、IRB)副委員長が、IRB委員長欠席時にSOPの規定に従いIRB委員長代理として議事進行を司っており、自身が治験責任医師となる治験の審査においても議事進行を担当されていました。

GCP第29条第1項に「治験責任医師は、審査の対象となる治験に係る審議及び採決に参加することができない」とあり、議事進行は審議及び採決に含まれると考え、実施医療機関を通じて改善を要請しました。IRBの回答は「議事進行のみの担当で、審議・採決には参加していないので、適切に審査されたと判断している。今後SOPを改訂する予定もない。」とのことでした。審査の独立性という観点からも不適切ではないかと思っているのですが、当該IRBの解釈は許容できますでしょうか。

製薬協見解

GCP(第29条第1項)では、治験責任医師が自身の治験に係る審議及び採決に参加することができない旨は明記されていますが、当該審議及び採決の進行役を務めることが問題か否かまでは記載されていません。

GCP第29条第1項で治験責任医師の審議及び採決への参加を禁止している趣旨は、治験を実施する当事者からの影響を受けずに、治験審査委員会が独立した立場で意見を述べることができるようにするためです。一方、当該進行役は治験審査委員会での審議及び採決において重要な役割を果たします。治験を実施する当事者である治験責任医師が審議及び採決の進行役を務めると(又は採決の前の審議のみの進行役を務める場合であっても)、他委員の自由な意思表示が妨げられるおそれがあり、このような影響が無かったことを第三者に納得してもらうことは非常に困難であると思われます。

したがいまして、このようなケースにおいては、他の委員等が議事進行役を務めることが望ましいものと思われますが、運営上やむを得ない場合には、議事進行役が審議および採決に参加していないことを、議事録等の記録で明確に示す必要があるものと考えます。

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