医薬品評価委員会 2010-21 情報公開制度と治験審査委員会の議事要旨

関連分類:治験審査委員会

初回公開年月:2010年08月
改訂公開年月:2021年03月

質問

市立病院のある市には情報公開制度(市長等の機関が保有している行政文書を市民の請求があった場合公開する制度)があります。この制度を実施する機関には病院事業管理者も含まれております。非公開になる情報として1)個人に関する情報 2)法人等に関する情報となっています。

病院では、倫理委員会の議事録なども公開の対象となっているため、治験審査委員会(IRB)の議事録も公開対象となるとお考えです。そのため、議事録の記載内容について、質疑応答の委員名などは記載しないようにとの指示がございます。どの委員がどのような質問をしたかは残したくないとのことです。(委員名簿、IRB-SOP、会議の記録の概要はHPに公表しています)。

また、情報公開された場合、質疑応答での治験の内容に関する質問は秘密保持や治験依頼者の知的財産の侵害になると思われます。そのため、議事録に残せなくなる内容も多くなると考えられます。

公開用として議事録の要旨を別に作成する案については病院で却下されております。会議の記録の概要を議事録として扱うのは内容が不足していると指摘を受けております。公開できない内容(秘密保持に触れる内容)や病院にとって不都合な内容は記載しなければ良いとのお考えです。

病院のお考えに沿った議事録の場合、審議した内容が残せず、議事録の意味を成さなくなる可能性が考えられますがどのように記載すべきでしょうか。

なお、病院SOP、IRB SOPには議事録の記載内容に関しての記述はございません。

製薬協見解

GCP第28条第2項ガイダンス8として、「「会議の記録」(議事録)には、審議の結論(承認、不承認等)だけでなく、審議及び採決に参加した委員名及び議事要旨が記載されていること。」と規定されております。この議事要旨についてどの程度詳細に記載すべきかについては触れられていませんが、審議結果に至った経緯として、委員からどのような意見が出され、どのような議論があったのか、特に重要と考えられる内容につきましては記載されておくことが望ましいと考えます。委員による活発な審議に支障を来たすようであれば、どの委員がどの質問をしたかを明記しなくても構わないと考えます。

情報公開にあたりましては、市の情報公開制度に従っていただくとともに、必要に応じて治験依頼者に確認を依頼し、個人情報及び知的財産権など非公開に該当すると考えられる箇所につきましてはマスキング等の措置を行っていただくことで問題ないと考えます。

見解改訂理由

GCPガイダンスの改正(令和2年8月31日、薬生薬審発0831第15号)に伴い内容を変更しました。

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