医薬品評価委員会 2009-29 説明文書に記載してはならない事項

関連分類:同意の取得

初回公開年月:2010年01月
改訂公開年月:2021年03月

質問

GCPでの記載事項について、質問致します。

Q1 説明文書での免責事項について

第51条に以下のような記載があります。

2 説明文書には、被験者となるべき者に権利を放棄させる旨又はそれを疑わせる記載並びに治験依頼者、自ら治験を実施する者、実施医療機関、治験責任医師等の責任を免除し若しくは軽減させる旨又はそれを疑わせる記載をしてはならない。

一方で、補償に関する説明では確かに免責を思わせるような記載もありますので具体的にどのような事例を想定すればいいのでしょうか御教授下さい。

Q2 直接閲覧に関する合意について

第13条第1項ガイダンスに以下のような記載があります。

12治験依頼者は、治験に関連する全ての施設及び原資料等の全ての治験関連記録を、治験依頼者によるモニタリング及び監査、並びに規制当局による調査のための直接閲覧が可能であるように全ての関係者との合意を治験が開始される前に得ておくこと。

このことに関して、契約書への記載、実施計画書への記載、被験者からの同意以外に依頼者が行っていることがあるのでしょうか。御教授下さい。

Q3 代諾者について

代諾者に関しては、第2条に定義されていますが、法定代理人との違いについて御教授賜ることは可能でしょうか。

製薬協見解

Q1 説明文書での免責事項について

GCP第51条第2項は、被験者となるべき者に対して権利を一方的にかつ無条件に放棄させるような内容を記載しないように求めているものと考えます。一方、補償に関しては、被験者の責任が問われるようなケース(用法用量を故意に守らない、医師の指示に従わないなど)が免責事項として記載されることが一般的です。この免責事項に関する記載は、上記GCPの規定に抵触するものとは思われません。

Q2 直接閲覧に関する合意について

ご質問のように、治験契約の締結、治験実施計画書の合意取得、被験者の同意取得で十分と考えます。

Q3 代諾者について

法定代理人とは、「法律により代理権を有することを定められた人物」です。未成年の場合は、親権者が該当します。成年の場合は、法的手続きを経て後見人が選定されることもあります。また、財産管理人なども該当します。GCPにおける代諾者は、被験者の最善の利益を図りうる人物であれば、必ずしも法定代理人である必要はありません。ちなみに、小児の代諾者は通常親権者ですが、家庭の事情により成人した兄弟や祖父母が代諾者になる場合もあります。なお、成人に対する代諾者は通常配偶者や近親者であり、法的手続きは必要としません。

見解改訂理由

GCPガイダンス(平成24年12月28日)発出に伴い、質問中の参照する条項を変更しました。

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