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2011-03 原資料である診療録の保存期間

治験119 質問・見解集
日本製薬工業協会医薬品評価委員会臨床評価部会治験119対応チーム
目次

質問番号:2011-03 原資料である診療録の保存期間

第1分類:記録の保存   関連分類:なし初回公開年月:2011年7月

 当院における診療録の保存期間が、「永久保存」から「20年保管」(期間限定)へと変更になりました。当院の場合、治験のワークシート等と通常診療の情報(紙カルテ)は別保管しています。治験のワークシートやCRFなどはもちろん、治験事務室にて厳密に管理しています。
 「最初に記載のあった資料(又は、CRF転記の元となった資料)が原資料」であると言われていることから、現疾患の発現時期などの記載がある過去の紙カルテは原資料として取り扱われるべきであり、20年以上前の紙カルテも治験事務室として、保管義務が発生するのではないかと懸念しております。現在、当院での「原資料の保管義務」がある全ての治験について、該当する過去の紙カルテを探し出さなければ、「原資料の保管義務」に抵触するのでしょうか。

 医師法第24条第2項にありますように診療録の保存期間は5年ですので、20年の保存は貴医療機関の規定との前提で回答いたします。
 GCP第41条第2項により、治験の原資料は以下の期間のうちいずれか遅い日まで保存しなければなりません。
 1)当該被験薬に係る医薬品についての製造販売の承認日
 2)治験の中止又は終了後3年が経過した日
 さらに、治験依頼者が上記よりも長期間の保存を必要とする場合には、保存期間及び保存方法について、実施医療機関は治験依頼者と協議することとなっています(GCP第41条第2項ガイダンス 1)ので、原資料の保存期間は治験依頼者と実施医療機関が締結する個々の治験の契約書で規定されることになります。したがいまして、治験の原資料となる診療録は、個々の治験契約書に規定された期間保存する必要があります。
 GCP第2条ガイダンス 3に「原資料とは、被験者に係る診療録、検査ノート、治験薬等の投与記録等の治験の事実経過の再現と評価に必要な記録を指す。」とありますが、原資料となる記録の範囲は、治験開始前に治験責任医師及び治験事務局等が治験依頼者(又はモニター)に確認することとなっています(「”モニタリング及び監査の受入れに関する標準運用指針”等の送付について」平成12年7月24日、医薬審第889号)。したがいまして、現在の疾患に関する20年前の診療録を原資料として決めたのであれば、その診療録は当該治験の契約書に規定された期間保存する必要があります。
 ただし、原資料を20年間以上保存が必要になるというようなケースは非常に稀であると思われます。また、当該治験の原資料に当たる部分の記録が保存されていれば事足りますので、当該被験者の(20年間以上の)全ての診療録を保存しておく必要はないものと思われます。診療録廃棄の際には上記を確認の上、その時点で「保存期間満了」の通知が治験依頼者から届いていないようであれば、必要に応じて治験依頼者に廃棄の可否を協議されることをお勧め致します。

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