医薬品評価委員会 2008-54 非治療的な治験の例

関連分類:その他

初回公開年月:2009年07月

質問

GCP第50条第4項運用通知2において、以下のような記載があります。

  1. (1)
    「非治療的な内容の治験において、次の(1)から(4)に掲げる事項がすべて満たされる場合には、被験者となるべき者の代諾者による同意を得て治験を行うことができる。」
  2. (2)
    「このような治験は、例外が正当化される場合を除き、被験者の適応となることが意図された疾患又は症状を有する患者において行われるべきである」とあります。

この項目の解説をする際に、具体的な例示を行いたいと思っています。(1)の例として、小児における薬物動態試験を挙げていますが、他にも適切な例がありますか?

(2)の例外が正当化される場合の、"例外"の具体例がよくわかりません。例えば、"希少疾患で患者が極端に少ない場合の上記試験"を指しているのかとも推定しますが、具体例に関してご教示くだされば幸いです。

製薬協見解

GCP第50条第4項ガイダンス2でいう「例外」とは「代諾者による同意で行う非治療的な治験」を指していますので、その例としましては「小児における薬物動態試験」以外に、「小児における薬力学的試験」、「認知症を対象とした薬力学的試験」などが該当すると考えられます。

GCP第50条の内容としては、ⅰ) 同意は被験者本人から取得することが大原則である、ⅱ) 被験者本人による同意取得が困難な場合には代諾者による治験参加を認めること、ⅲ) 非治療的治験においては、原則被験者本人の同意が必要であること、ⅳ) 非治療的治験において代諾者による同意を認める場合もあること、などが記載されています。さらに、ⅴ) 予定される効能効果の疾患を有する患者以外を対象に代諾者による非治療的治験を行うことが例外的に許容される場合がある旨が記載されています。このうち、ⅳ)及びⅴ)は極めて稀なケースを想定された上での規定と考えられ、通常の医薬品を開発する臨床試験では非常に稀な事例と考えられ、提示できる具体例はありません。

なお、ご指摘のような、「希少疾患で患者が極端に少ない場合」でも、可能な限り当該疾患患者を対象に治験を行うべきと考えます。

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