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5.くすりを創り育てる

Q41医療用医薬品の価格について、教えてください。

A

医療用医薬品の価格は、くすりの効果などを考慮して厚生労働省によって決められます。原則として2年に1度、改定がおこなわれます。

解 説

医療用医薬品の価格は、「薬価(やっか)」と呼ばれます。薬価は、国の医療保険制度から、病院や保険薬局に支払われる時のくすりの価格のことで、製薬企業の資料などをもとに厚生労働省が決める「公定価格」です。

新しく開発され、発売することになった医療用医薬品の価格は、多くの場合、すでに使用されている効き目の似た医療用医薬品の価格と比較して決められます(類似(るいじ)薬効(やっこう)比較方式)。似たような効き目をもつ医療用医薬品と比べて高い有効性や新規性などが認められると、価格は上乗せされます(補正加算)。新規性の少ない医療用医薬品の場合には、過去数年間に販売されたくすりの中でもっとも低い価格に設定されます。

一方、似たような効き目の医療用医薬品がなく、比較ができない場合には、医療用医薬品の原材料費や製造費などの原価をもとに価格が決められます(原価計算方式)。

公定価格である日本の医療用医薬品は、原則として2年に1度の価格改定のたびに、価格が引き下げられているため、製薬会社が価格を自由に設定できる国に比較して安価になる傾向があります。

価格が下がることは、それを使用する人にとってはうれしいことです。しかし、医療用医薬品の価格が下がり続けると、製薬企業の研究のための原資が減り、新薬を創出する力が損(そこ)なわれます。

医療用医薬品の価格には、研究開発費や原材料費、製造費、人件費、販売経費などさまざまな費用が含まれています。単に安価なことがいいのではなく、効き目などに応じて患者さんも納得できる適切な価格であることが望ましいといえます。

このような考え方に基づいて、国は2010年4月から、新薬の中で一定要件を満たすものについては、特許期間中は価格の改定をおこなわず、後発医薬品が発売された後にまとめて引き下げるという方式(新薬創出・適応外薬解消等促進加算)を試験的に導入することにしました。

MINIコラム新薬創出・適応外薬解消等促進加算

特定の条件を満たした新薬に対して、あえて薬価を下げずに、そのくすりを販売することで得られた利益を、次の新薬やまだ適応が認められていないくすりの適応取得のための費用に使用する、という考えのもとで、2010(平成22)年に、試験的に導入されました。加算対象となる新薬の範囲と加算の条件が厳密に定められていますが、それらを満たす場合に限り、加算がおこなわれ、実質的には薬価が下がりません。この条件の一つに厚生労働省が開発要請する適応外薬の開発があります。

この制度の成果として、海外では使えたけれども日本の患者さんが使用できなかった未承認薬や未承認適応薬が、日本の患者さんに数多く届くようになっています。

※詳細はQ52をご覧ください。

くすりの情報Q&A55

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