くすりの情報Q&A Q25.お年寄りがくすりを使う時に、注意すべきことはなんですか。

回答

のみ忘れやのみ間違いなどを防ぐために、くすり用のカレンダーやノートを作っておくと便利です。また、のどにつまらせないように、姿勢に気をつけたり、のませる方法を工夫するようにしてください。

解説

お年寄りには、思い違いからくすりをのみ忘れたり、のみ間違えたりすることがときどきあります。毎日くすりを使っている人が多く、のみ慣れているために、かえって思い違いをすることが多いようです。くすりの管理をしっかりして、誤使用をなくす工夫をしておくことが大切です。

また、のみ込む力が弱くなっている方も多いので、ふだんから多めの水でくすりをのんでもらうようにしましょう。

寝たままの姿勢でくすりをのむと、のどにつまらせたり、気管支に入って思わぬ副作用を起こしたりしかねません。寝たきりのお年寄りにくすりをのませる時は、少しでも体を起こしてあげることが大切です。

くすりののみ合わせにも注意が必要です。お年寄りはいくつもの病院や医院にかかり、それぞれの医療機関でくすりをもらうケースがよくあります。くすり同士の作用によって、効果が強まることや、反対に弱まることも考えられます。

別の病院や医院にかかる時は、「おくすり手帳」を持参し、すでに使っているくすりの名前を医師に告げてください。

年齢が進むにつれて、くすりの分解や排泄(はいせつ)能力が徐々に低下していきます。今までのんでいた量では多過ぎることもあります。いつもと違う症状が出たら、量が多いために起こった副作用である可能性も考え、医師に相談しましょう。

また、高齢者施設ではのみやすくするために、わざわざ錠剤(※)を砕(くだ)いて調理用のとろ味材と混ぜる工夫をしているところもあって、それが介助者の大きな負担ともなっています。

こうした課題を解決するために開発されたのが、口に入れるとすぐに溶ける口腔内崩壊性(こうくうないほうかいせい)のくすりです。くすりのサイズはかなり大きいものですが、ラムネ菓子のよ うに口の中でフワッと溶ける性質をもっているので、のどにつまらせる心配もありません。その他ゼリー状やペースト状のくすりや、くすりをのみ込みやすくする嚥下(えんげ)補助ゼリーなども開発されています。

このように、お年寄り用に使いやすく工夫されたくすりもありますので、お年寄りの状態に合わせておくすりを使うようにしてください。

一方、大きさや材質だけでなく、お年寄りはくすりを識別しにくいため、包装をカラー化する、文字を大きくする、点字を入れるといった工夫も進んでいます。もし処方されたくすりが使いにくい時には、他のくすりに替えてもらえるかどうか、医師や薬剤師に相談してみることも大切です。

  • 錠剤には砕いてもいいものと、そうでないものとがあります。医師や薬剤師に相談してからおこなう必要があります。

図表・コラム

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高齢者のからだの特徴

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