閉じる

2.くすりと体

Q10形などを工夫することで、より使いやすくなったくすりはありますか。

A

水なしや少量の水でものめる口腔内崩壊錠(こうくうないほうかいじょう)や、体に貼(は)って少しずつ吸収させるテープタイプのくすりなど、使いやすさを工夫したくすりが誕生しています。

解 説

くすりにはいろいろな形がありますが、なかでも錠剤やカプセル剤は取り扱いが容易なので、もっともよく使われています。

ところがお年寄りや子供は嚥下力(えんげりょく)(のみ込む力)が弱いために、普通サイズの錠剤やカプセル剤でも、うまくのみ込めないことがあります。また、若い人でも、少量の水でカプセル剤をのんだりすると、のどに貼り付いてしまうことがあります。

こうしたことを解消するために開発されたのが口腔内崩壊錠です。この錠剤は、ラムネ菓子のように、口に入れると唾液や体温によってフワッと溶け、のみ下(くだ)しやすくなっています。お年寄りや子供のほか、病気などで嚥下力が弱っている方にものみやすいくすりです。水を必要とせず、唾液(だえき)でのむことができるので、仕事中や旅行中など、外出先でのむ時にも便利です。

すでに頭痛薬や胃腸薬、睡眠(すいみん)導入薬、糖尿病治療薬など、さまざまなくすりに口腔内崩壊錠がありますので、もし今のんでいる錠剤やカプセル剤がのみ込みにくい場合には、医師に相談してみましょう。

同じように、アルツハイマー型認知症のくすりでは、嚥下力が弱っている方にものみやすいゼリー剤も開発されました。

一方、くすりが体に吸収される方法を工夫し、使いやすくしたくすりも開発されています。

たとえば、狭心症の発作が起こった時の治療薬「ニトログリセリン」の舌下錠(ぜっかじょう)は、舌の裏側に入れて粘膜(ねんまく)からすばやく吸収させ、すぐに効果を発揮するタイプのくすりです。また、スプレータイプも開発されています。これは発作が起きた時、口の中にスプレーすることで、粘膜から吸収させるものです。効果の持続時間は短い(1 時間程度)のですが、病院に着くまでの緊急用として使うことができます。しかし、狭心症の発作が起こらないようにコントロールする場合には、吸収が速くすぐに効果が消えるのではなく、長時間体内にくすりが存在し続けることが必要です。

そこで特殊なテープにニトログリセリンをしみ込ませ、皮膚に貼って徐々に吸収させるタイプのくすりが開発されました。くすりの成分が皮膚から少しずつ吸収されるので、効果が長時間持続し、副作用も少ないため、発作予防に使われています。就寝中でも吸収されるので、夜間の発作の予防にもなります。患者さんや家族の方は、安心して眠ることができ、生活の質(QOL= Quality of life)の向上にも役立ちます。

アルツハイマー型認知症や喘ぜんそく息の治療薬にも、このような皮膚に貼るタイプのくすりがあります。

このようにくすりは、より安全性や効果が高いもの、より使いやすいもの、また患者さんや家族の方のQOLに貢献できるものへと、さまざまな視点から製剤の工夫が重ねられています。

くすりの情報Q&A55

このページのトップへ

  • すすめ、新薬キャンペーン
  • 製薬協ニューズレター メールマガジン登録はこちらから
  • くすり研究所
  • 治験について
  • 医薬産業政策研究所
  • 製薬協のテレビCM