製薬協について 製薬協について

グローバルヘルスに関する優先課題と活動
JPMA’s Contribution to Global Health

2012年11月9日
日本製薬工業協会

背景

世界の健康状況は、平均余命の延長に示されるように今日までに大きく改善してきており、このなかで新薬は大きな役割を果たしてきています1。しかしながら、発展途上国においては未だ医薬品を含む医療へのアクセスが十分でない地域が存在しており、これら地域での保健医療を改善することは国境を越えるグローバルヘルスの課題として最優先事項となっています。世界における保健医療を改善するためには、国、地域及び国際レベルの全てのステークホルダーが責任を担い、様々なレベルのネットワークによる協調、パートナーシップを通じた課題解決に取り組むことが重要です。
この中で我々日本製薬工業協会(以下 製薬協)及び会員企業は、「患者参加型医療の実現」をモットーとして、未だ満たされない医療ニーズ(Unmet Medical Needs)の充足に積極的にチャレンジし、世界の患者さんに革新的な新薬を提供することにより、グローバルヘルスの向上に貢献することを社会的使命と認識しています。
加えて、我々は「国際的な枠組みにおける公衆衛生課題に真摯に向き合い、政府、国際機関などの各種ステークホルダーと連携し、発展途上国の医薬品アクセスの改善に貢献する」という国際協力事業に関する基本方針(2009)を掲げ、活動を行っています。
我々は、以下の各課題に対する共通の基本的考え方を持ち、グローバルヘルスにおける重要なステークホルダーであることを強く認識すると共に、国連、世界保健機関(WHO)などの国際機関、発展途上国政府及び日本政府、NGO、国際製薬団体連合会(IFPMA)等との更なる連携を模索し、発展途上国の保健医療の向上に貢献していきます。

  1. イノベーション:医薬品及びワクチンの創出
  2. 3大感染症及び顧みられない熱帯病 (NTDs)
  3. 能力開発 (Capacity building)
  4. 知的財産制度
  5. 偽造医薬品対策
  6. 非感染性疾患 (Non-Communicable Diseases, NCDs)
  7. 信頼と倫理
  8. その他(取組事例)

1. イノベーション:医薬品及びワクチンの創出

日本の製薬産業の研究開発力は世界的に見ても高い水準にあり、新薬を創出できる数少ない国のひとつです。私たち研究開発志向型の製薬企業は、有効かつ安全で高品質な医薬品及びワクチンの、革新的な研究・開発・製造を通して、疾患の予防及び治療、若年死亡率の低下、患者さんのQOL向上、高額な入院費の回避、患者さんの社会復帰などへ寄与しており、人々の健康増進に貢献しています。
今世紀に入ってから、個別化医療や遺伝子治療、再生医療などライフサイエンスの分野では目覚しい進歩が見られており、我々は、今後それらの成果や最新のテクノロジーを優れた医薬品の創出につなげていくことを通じて、世界の人々の健康増進に継続して貢献していきたいと考えています。
一方で、新薬の研究開発活動は複雑かつ創造的であるため、その成功確率は非常に低く、また上市に至るまでには多大なコストと年月を必要とします。その上、発展途上国特有の疾患に対する新薬の研究開発においては、一般的な市場原理が働かないことも課題となっています。これらの課題解決のためには、新薬創出を加速させる環境整備、あるいは医薬品開発に関わるパートナーシップの活用などの柔軟な対応が必要です。
我々はこれら新薬及びワクチンの創出、並びに新薬開発のためのパートナーシップ等の活動にこれからも取り組みます。

2. 3大感染症及び顧みられない熱帯病(NTDs)2

WHOによると、3大感染症と呼ばれるHIV/エイズ、結核、マラリア、並びにNTDs (Neglected Tropical Diseases)は世界149の国と地域で蔓延しており、10億人を超える患者さんがいると推測されています。NTDsは、貧困により蔓延していく一方、多くの国や地域で貧困の原因ともなっています。この貧困とNTDsの負の連鎖を断ち切ることが、感染流行国の経済成長や世界情勢の安定化に必要であり、地球規模での解決が求められています。日本でも、発展途上国が抱えているこのような問題を官民の連携により解決していこうとする動きが始まっています。
我々はNTDsに対する新薬開発を含む医薬品へのアクセス向上を担える重要なステークホルダーであることを認識しています。
会員企業の取り組み事例

3. 能力開発(Capacity building)

発展途上国においては、公的医療保険制度や医療インフラの未整備、医薬品の製造・品質管理に関わる人材不足、偽造医薬品の横行、貧困など、さまざまな要因により医薬品へのアクセスが阻害されています。
医薬品へのアクセスを向上するために、製薬協及び会員企業がなし得ることとして、現地での能力開発に関する実務指導及び教育訓練を重要な課題と捉えています。

3-1) 実務指導(Know-how transfer)
製薬協及び会員企業は、発展途上国における医薬品アクセス改善のため、ステークホルダーとの連携の下、医薬品の製造や品質管理に関する現地の方々への技術指導などを行っています。例として、製薬協は、カンボジアでのGMP (Good Manufacturing Practice) 支援事業を行ってきました。また、カンボジア、フィリピンにおいて、金沢大学や現地政府との協働で偽造医薬品対策プロジェクトを実施し、当該国における偽造医薬品対策に係る技術向上に貢献しています。

3-2) 教育訓練(Training)
発展途上国では、医療資源の不足、医療従事者の能力不足により、適切な医療が患者さんに届かない場合があります。我々は、発展途上国における保健医療の向上のため、現地政府との協働のもと、予防、診断、治療に関する医療従事者の能力向上に取り組んでいます。ASEAN地区での人材育成、医薬品の品質向上の支援をしていくため、製薬協は、会員企業の協力のもと、アジア各国政府関係者を対象に日本国内、海外で医薬品品質管理のトレーニングを20年以上にわたって実施しています。また、タイにおいてAIHD (ASEAN Institute for Health Development)に委託し、地域住民の感染予防と患者さんのQOL (Quality of Life) 改善を目指し、エイズ予防・治療のための専門家研修を行っています。更に、日本政府との協働で、インドネシアにおける品質改善セミナーへの協力を行っています。
会員企業の取り組み事例

4. 知的財産制度

4-1) 知的財産制度と新薬開発
グローバルヘルスへの貢献を目指し、製薬協会員企業は、日々医薬品の研究開発に取り組んでいます。研究開発を継続するために、また、各国において患者さんが医薬品にアクセスできる社会や体制を構築・維持するために、研究開発の成果である特許権、商標権、研究開発データ等の知的財産が適切に保護される制度が必要です。各国における知的財産の適切な保護は、次なる新薬を患者さんにお届けするための研究開発を可能にし、更には各国の経済など社会基盤を強化することに役立つものです。

4-2) 発展途上国における医薬品アクセスと知的財産制度の貢献
々は、発展途上国の患者さんに、NTDs治療薬並びにHIV、結核、マラリア等の感染症の治療薬を届けることを重要な課題であると認識しています。我々は、知的財産権による研究成果の保護を前提として、これら疾患に対する治療薬の開発や、官民パートナーシップ等による医療環境並びに保健システム等の改善等、医薬品アクセスの改善に協力していきます。また、医薬品アクセスの改善に知的財産権の利用が必要と判断される場合には、権利行使の是非、ライセンス条件の緩和などフレキシブルな特許権の運用により、研究開発や医薬品の適切な調達を促進し、グローバルヘルスに貢献しています。
会員企業の取り組み事例

4-3) 強制実施権
世界貿易機関(WTO)が1995年に発行した貿易関連知的財産(TRIPS)協定により、加盟国政府は、一定の条件の下、特許権者の事前の承諾を得ることなく、特許権が保護する技術を許諾する権利を発動することができます。各国特有の事象により人々の生命の安全を守るため緊急避難的に強制実施権を医薬品供給に発動することは合理的であり、発展途上国に限らず有効な措置と認識しています。一方、強制実施権の発動のみでは医薬品アクセスを解決することはできません。合理性及び透明性を欠く強制実施権の発動は、適切な研究開発投資が行われ難いなどの懸念が残ります。我々は、持続可能な医薬品アクセスの向上のために、各国政府と対話を進めていきます。

5. 偽造医薬品対策

偽造医薬品3の脅威は世界的に増大しており、その流通量は750億ドルにも達しています。途上国では医薬品流通量の10~30%が偽物であると報告されるなど、患者さんの安全が大きく脅かされています。故意に、認可された本物の医薬品のように偽って、偽造医薬品を製造販売することは、治療効果が得られないばかりでなく、予期せぬ副作用により身体障害や死に至るといったリスクをもたらします。製薬協及び会員企業は、偽造医薬品の撲滅に向けて取り組んでいきます。
製薬協は、2012年7月に、違法インターネット薬局等からくる偽造医薬品の取り締まり強化に向けた共同声明を、他協会(IFPMA, PhRMA, EFPIA)とともに発表しました。
同様に、日本政府は一般の人々の啓発のためのウェブサイトを開設し、行政と企業が一丸となって偽造医薬品対策に取り組んでいくことを発表しています。我々はこれらの取り組みを歓迎し、支援します。
また、偽造医薬品対策の一つとして、商標権侵害に対する各国税関による取り締まりは、多数の実績があり、今後も積極的に活用することで、発展途上国の患者さんの健康維持に貢献していきます。
なお、偽造医薬品とは異なりますが、我々は、サブスタンダード(規格外の)医薬品も課題の一つと考えています。品質基準を満たしていないサブスタンダード医薬品は、重大な健康上のリスクをもたらす恐れがあります。我々は、世界中で、適切な品質基準を満たした医薬品が使用されるべきと考えます。発展途上国において、必要とされる基準を満たすための技術的な能力が不足している場合には、官民連携等の手法を用いて、これらの問題を解決するために取り組んでいきます。
現在、製薬協会員企業のいくつかは、偽造医薬品対策を含む医薬品の安全確保を扱うグローバルな組織を立ち上げ、偽造医薬品の犯罪取引を撲滅するための活動に資金を拠出しています。また、製薬協では、偽造医薬品に関する現状調査を行っており、偽造医薬品の問題を抱える関係国に対する更なる支援対策の立案に役立てていきます。

6. 非感染性疾患(Non-Communicable Diseases, NCDs)

非感染性疾患4は先進国のみならず、発展途上国の多くにおいても、既に死亡原因の第1位を占め、2008年の全世界の死亡者数5,700万人の63%に当たる3,600万人が、NCDsを原因として亡くなっています5
こうした実状を踏まえ、国連やWHOは「NCDsの予防と管理」をアジェンダに据え、2025年までにNCDsによる死亡率を25%低減するという25 by 25という目標を設定、現在2013-2020年の実行計画の策定を進めています。WHOでは「NCDsの予防と管理」を公衆衛生という範囲に止めず、各国保健財政や経済活動へのインパクトから、社会経済問題として解決に当たるべきとし、喫煙、不十分な運動、不適切な食事、過剰なアルコール摂取をリスク要因として、中・低所得国に焦点を当てた対策を検討しています。
IFPMAでも、2011年6月に、「NCDsの予防と管理のための活動枠組み」を定め、行動計画の上位に位置付け、発展途上国におけるNCDs治療薬のアクセス問題の調査を第一歩として活動しています。製薬協は、IFPMA策定の「NCDsの予防と管理のための活動枠組み」を支持し、NCDsの予防と管理の課題解決に向け、様々なステークホルダーとの連携等の可能性を模索していきます。

製薬協会員企業は、NCDs分野の新薬創出に向けた研究開発に引き続き注力するとともに、創出された新薬を、先進国ばかりでなく、広く発展途上国にまで供給していくべく努力を継続しています。
会員企業の取り組み事例

7. 信頼と倫理

医薬品は外見だけではその本質が全く分からない上、効果と副作用を併せ持っていることから、正しい情報を伴わない医薬品は、医薬品として機能しえないという特徴があります。効果と副作用の適切なバランスを欠いた情報提供や、医薬品の取引を誘引するような不適切な販売活動は、誤った医薬品の使用を促進し、患者さんの最適な治療を妨げるばかりでなく、健康への悪影響さえ与える可能性があることから、製薬企業には、製品の正確、公平、かつ科学的に根拠のある情報を倫理的に提供することで医薬品の適正使用を推進するという重大な責務があります。この責務は先進国、発展途上国を含めた全世界において同様に果たされるべきです。
近年、製薬企業に対するステークホルダーからの倫理性、透明性に対する要求はますます高まっています。研究開発志向型製薬企業がその使命を果たすためには、常に高い倫理基準に基づいて活動していることを示し、社会からの信頼を高めていかなければなりません。
製薬協会員企業は、医薬品のプロモーション活動をはじめとした医療関係者との交流にあたって、倫理的で患者さんの立場に立った最適な治療に繋がるよう、国際基準である「IFPMAコード・オブ・プラクティス」にも準拠した「医療用医薬品プロモーションコード」を遵守しています。
さらに企業活動の透明性を高め、医療関係者、医療機関、患者団体に対する金銭支払い等の情報公開を行い適切な説明責任を果たすため、製薬協会員企業は製薬協が策定した「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」及び「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドライン」に則った自社の指針を策定し、それぞれ2013年度及び2014年度からこれらの指針に準じた情報公開を進めることとしています。
製薬協はIFPMAコード・コンプライアンス・ネットワークの一員として、IFPMAコードのさらなる普及推進、IFPMAコードの改定議論といった活動に積極的に参画しています。製薬協はまた、2011年にAPEC閣僚会議で承認された製薬業界における自主的なビジネス倫理規定である「メキシコシティー原則」の策定に参画するとともに、本原則に基づいた医薬品の倫理的なビジネス活動を先進国のみならず発展途上国に、また研究開発志向型製薬企業のみならずその他医薬品製造企業にも、規模の大小にかかわらず幅広く浸透させるための活動に参画しています。
製薬協はこれらの活動を通じ、製薬企業の活動に関する高い倫理基準の設定やその世界的な普及・浸透を通じて患者さんの健康に貢献しています。

8. その他

8-1) 会員企業の取組事例
本項目では、国内会員企業の取組事例を掲載しています。

8-1-1) 3大感染症及びNTDs6

  • リンパ系フィラリア症治療薬の無償提供
    エーザイ株式会社は、製薬企業13社の一員として、2012年1月30日、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、WHO、世界銀行、英米政府、NTDsの蔓延国政府とともに、2020年までにNTDs 10疾患を制圧すべく共闘する旨をコミットした共同声明(ロンドン宣言)を発出しました。本宣言においてエーザイは、リンパ系フィラリア症制圧プログラムの一環として、2020年までにジエチルカルバマジン22億錠をWHOに無償提供することとしています。
  • マラリア治療薬の開発・販売
    第一三共株式会社の子会社であるランバクシー社は、インド企業初の新薬となるマラリア治療薬の開発に成功し、現在インド国内で販売しています。また、同社は今後、マラリア感染が多いとされる東南アジア、アフリカ地域などにおける本剤の積極的な展開を計画しています。
  • HIV感染症治療薬の開発
    塩野義製薬株式会社とViiV Healthcareが協働して設立したShionogi-ViiV Healthcare LLCは、次世代インテグレース阻害薬ドルテグラビルの開発を進めています。現在、欧米を中心に4つの第Ⅲ相臨床試験を行っており、2012年中に新薬承認申請を行う予定です。
  • 結核治療薬の開発
    大塚製薬株式会社は、過去30年以上にわたり、結核の撲滅を目指した治療薬を継続的に生み出すことを目指し、研究開発を行っています。多剤耐性結核を対象とした臨床第II相試験で良好な結果が得られた新規抗結核薬(デラマニド)は現在欧州で申請中です。また、後期第Ⅱ相試験の結果を確認するための第III相試験を実施中です。
  • シャーガス病治療薬の開発
    エーザイ株式会社と国際的な独立非営利団体であるDNDi (Drugs for Neglected Diseases initiative)は、シャーガス病の病原体に対する新しい抗真菌剤の臨床試験を実行しています。エーザイは、臨床開発に関する科学的専門知識並びに臨床試験用に必要な製剤を提供し、DNDi は、シャーガス病の蔓延地域において臨床開発を行います。
  • 住血吸虫症感染症治療薬の小児用製剤の開発
    アステラス製薬株式会社は、TI Pharma、Merck KGaA、並びにSwiss Tropical and Public Health Instituteと国際的な官民パートナーシップを創設し、住血吸虫症に有効なプラジカンテルの、就学前児童用小児製剤の開発を行っています。
  • HIV感染症の小児向け治療薬の研究開発
    第一三共株式会社は、子会社であるランバクシー社により、サハラ以南のアフリカ等の小児を対象としたHIV感染症治療薬(新剤型を含む)の研究開発プロジェクトを推進しています。
  • 結核及びデング熱治療薬の開発
    第一三共株式会社は、インド科学技術省科学産業研究局と提携し、インドにあるライフサイエンス研究センターにて、結核とデング熱の治療薬の研究開発プログラム(化合物スクリーニング)を推進しています。
  • マラリア治療薬の開発
    エーザイ株式会社は、新薬創製によるマラリア対策への協力のため、Toll様受容体(TLR)9アンタゴニストの創薬研究を行っています。また、マラリア原虫の生合成酵素の一つであるGWT1の同定とその阻害薬の探索研究を行っています。
  • シャーガス病、リーシュマニア症、アフリカ睡眠病治療薬の開発
    アステラス製薬株式会社とDNDi は、リーシュマニア症、シャーガス病、アフリカ睡眠病の3つのNTDsのための、創薬の共同研究を行っています。アステラス製薬は、自社化合物を選定してDNDi に提供し、DNDi は化合物の再プロファイリングを行い、3つの対象疾患のための新しい抗寄生虫薬候補としての可能性を評価しています。
  • シャーガス病、リーシュマニア症のワクチンの開発
    エーザイ株式会社は、ワクチン治療及びNTDsの研究に特化した非営利組織であるセービンワクチン研究所に対して、エーザイが創製したワクチンアジュバントの提供を通して、シャーガス病及びリーシュマニア症をターゲットとしたワクチン開発を支援しています。
  • 顧みられない熱帯病に対するロンドン宣言への参画
    エーザイ株式会社は、上述のロンドン宣言において、シャーガス病、リーシュマニア症に対する新薬開発に取り組むことを表明しました。

8-1-2) 能力開発(Capacity Building)

  • 保健医療人材の育成・強化のための資金援助
    武田薬品工業株式会社は、「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」を通じて、アフリカにおける保健医療人材の育成・強化をはかる寄付プログラム「タケダ・イニシアティブ」を実施しています。2010年~2019年までの10年間に総額10億円を寄付することとしています。
  • 発展途上国におけるフェロー受け入れと研修提供
    アステラス製薬株式会社及びエーザイ株式会社はそれぞれWHO-TDR(熱帯病医学特別研究訓練プログラム)を通じ、自社海外拠点などに発展途上国よりフェロー(研修生)を受け入れ、臨床開発における能力開発の研修を提供しています。2010年から2011年には、エーザイにおいて一名、2011年から2012年にはアステラス、エーザイにおいてそれぞれ一名のフェローを受け入れました。
  • インフルエンザワクチン量産のための製造技術支援
    一般財団法人化学及血清療法研究所(化血研)は、タイ国営製薬公社に対して、インフルエンザワクチンを量産化する上で不足している技術支援を行っています。
  • 医療へのアクセス向上のための移動診療サービス
    第一三共株式会社は、インド、タンザニア、カメルーンにおいて、医療アクセスが限られている地域へ、移動診療車を用い、基礎的医療、予防接種、妊産婦・乳幼児健診、啓発教育などの医療サービスを提供する移動診療サービスを2011年からの5年間、約2億円の寄付を投じて実施しています。

8-1-3) 知的財産制度

  • WIPOリサーチコンソーシアム(WIPO Re:Search)への参画
    エーザイ株式会社は、世界知的所有権機関(WIPO)が主催するNTDs治療薬開発のための国際共同事業「WIPOリサーチコンソーシアム」に加盟しました。各加盟機関は、NTDsやマラリア、結核の薬剤・候補の知的財産や研究開発ノウハウなどを無償で提供し、研究者・機関と共有することで、治療薬開発につなげます。

8-1-4) 非感染性疾患(NCDs)

  • 官民連携を介した認知症及びうつ病対策プログラム
    エーザイ株式会社は、インドにおいてアポロ病院、並びにHelpAge Indiaと共に、医薬品アクセスの向上を目指す官民連携ビジネスモデルの開発に取り組んでいます。3者は、アルツハイマー型認知症並びにうつ病の患者さんのために、教育・診察・診断・治療並びに医療への遵守を向上させるプログラムを開発し、実行に移していきます。

8-2)    製薬協の国際協力事業
製薬協では、協会及び会員企業が行っている国際協力事業に関し、パンフレットを発行しています(2012年4月)。

8-3)    Developing World Health Partnerships Directory (IFPMA)
多数のIFPMA会員企業がグローバルヘルスに対する様々な活動に取組んでいます。これらの活動はIFPMAのウェブサイトにおいて、IFPMA加盟協会あるいは会員企業による発展途上国のためのパートナーシップに関するディレクトリーに掲載されています。
http://partnerships.ifpma.org/

1
1987年から2000年にかけて世界の平均余命が1.96年延長し、そのうち新薬の貢献度は約40%と試算されています。Lichtenberg, FR. “The impact of New Drug Launches on Longevity: Evidence for Longitudinal, Disease-Level Data from 52 Countries, 1982-2001”, International Journal of Healthcare Finance and Economics (2005) 5: 47-73
2
熱帯地域を中心に蔓延している寄生虫や細菌による感染症は、これまで先進国から主要な疾患と考えられてこなかったことから、顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases, NTDs)と呼ばれています。WHOによると、デング熱、狂犬病、トラコーマ、ブルーリ潰瘍、トレポネーマ感染症、ハンセン病、シャーガス病、睡眠病、リーシュマニア症、嚢尾虫症、ギニア虫感染症、包虫症、食物媒介吸虫類感染症、リンパ系フィラリア症、河盲症、住血吸虫症、土壌伝播寄生虫症がNTDsと定義されています。
3
WHOは IMPACT会議(ハマメット、チュニジア、2008)において偽造医薬品に関する協議を行いました。会議において「偽造医薬品」とは、同一性や出所起源に関して、故意に不正に偽造表示された医薬品とされています。
4
非感染性疾患の中でも、WHOは特に心血管系疾患、がん、糖尿病及び慢性閉塞性肺疾患をNCDsとして取り扱っています。
5
World Health Organization, "Global Status Report on noncommunicable diseases 2010" Introduction p. vii
6
プレスリリースおよびホームページ上の公表内容に基づき、開発ステージが後期のものから掲載しました。
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