国民にとって納得性の高い薬価及び薬価制度に向けて

吉田 晃子(医薬産業政策研究所 主任研究員)

(No.83:2024年03月発行)

要旨

 
 国民にとって納得性の高い薬価及び薬価制度とはどのようなものか。医薬品の多様な価値の評価により価値に基づく値付けがなされる。そして、研究開発が促進しその水準がさらに高まることでより幅広い価値エビデンスが創出される。創出された多様な価値が国民に届き続ける好循環となることこそ、本来国民に納得をもたらすものである。
 このような考えの下本稿では、国民にとって納得性の高い薬価及び薬価制度のあるべき姿は革新的な新薬の多様な価値に基づく値付けがなされることと、価値評価への患者・市民の参画(PPI)がなされることであると考え、革新的新薬の薬価算定ルールおよび薬価算定プロセス、価値エビデンスの創出、医薬品の価値等への国民の理解とPPIの4点について現状や問題認識を述べる。そして解決に向けた方向性として、革新的な新薬の薬価算定について、新たに【価値説明方式】と【客観性や透明性が高く、かつ患者・市民と共に意思決定するプロセス】を提言する。

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