医薬品評価委員会 2017-03 モニターの責任範囲

関連分類:その他

初回公開年月:2017年06月
改訂公開年月:2021年03月

質問

Risk-based monitoirngを実施している治験において、訪問回数に制限があるとの理由で、以下のようなことが行われています。治験依頼者には直接説明の責務はないのでしょうか?

  1. 1.
    治験実施計画書、治験薬概要書等の改訂時の合意を郵送で実施
  2. 2.
    1に関するスタッフへの説明を治験責任医師が実施して記録を残す

製薬協見解

治験依頼者は、治験責任医師に対して治験実施計画書案等、最新の治験薬概要書又は科学的知見を記載した文書、その他必要な資料・情報を提供すること(GCP第7条第4項/第5項ガイダンス1)とされています。また、治験責任医師は、治験分担医師、治験協力者等に治験実施計画書、治験薬及び各人の業務について十分な情報を与え、指導及び監督することとされています(GCP第43条第2項ガイダンス1)。

GCPにおいては、治験実施計画書や治験薬概要書の改訂に際して治験依頼者が直接説明しなければならないとは規定されておりません。一方でモニターには、治験依頼者と治験責任医師、実施医療機関等との間の情報交換の主役を務めること、および実施医療機関の長、治験責任医師、治験分担医師、治験協力者及び治験薬管理者等が治験について十分情報を得ていることを確認すること(GCP第21条第1項ガイダンス9(1)および(7))が求められます。したがって、モニターは治験実施計画書等の改訂内容を踏まえ、治験責任医師への適切な情報の提供方法について慎重に判断する必要があります。また、治験責任医師以外のスタッフへの周知方法につきましても、改訂内容を踏まえて治験責任医師と協議すべきものと考えます。

ご質問のケースにおきましては、当該治験依頼者が「risk-based monitoring」をどのような方法で実施しているのか分かりかねますが、訪問回数に制限があるとの理由のみで、モニターが治験責任医師へ改訂内容等を直接説明しない理由には成り得ないものと考えます。

見解改訂理由

GCPガイダンス(令和2年8月31日薬生薬審発0831第15号)の発出に伴い、軽微な記載整備を行いました。

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