医薬品評価委員会 2017-02 治験責任医師等による原資料の確認記録

関連分類:治験責任医師、治験分担医師等

初回公開年月:2017年06月

質問

原資料作成において、CRC等の治験協力者が医学的判断を伴わない箇所を記載することは可能かと思います。その際(治験協力者が原資料を作成した場合)、当該内容について治験責任医師等が確認した旨を証するため、原資料内に確認の記録(署名等)が必ず必要となりますでしょうか?

上記のようなケースにおいて、多くの実施医療機関で治験責任医師等による確認が行われているのが現状かと思います。しかし、この治験責任医師等による確認は何の根拠に基づいて実施しているのか不明なため質問させていただきました。個人的な意見となりますが、当該確認は、GCP第47条第1項に従い、治験責任医師が最後にCRFに署名することで担保され、治験協力者が作成した原資料に逐一確認する必要はないと思います。もし、治験責任医師等の確認が不要であれば実施医療機関の手間の削減に繋がると思いました。

一方、これが必要であれば、徹底されていない実施医療機関に対して、なぜ必要か説明するための根拠をお示しいただけますと幸いです。

製薬協見解

被験者に対する医療及び被験者のためになされる医療上の決定に関する責任は、医師が負うこととされています(GCP第1条ガイダンス2(7))。また、治験責任医師等は、被験者に生じた有害事象に対して適切な医療が提供されるよう、事前に必要な措置を講じておかなければなりません(GCP第45条第3項)。

このようなことから、治験責任医師等は、治験協力者が記録したものも含め、医学的判断の基となる全ての観察・検査結果を、被験者の安全性確保等のため、タイムリーに確認・評価する必要があります。そして、それを行ったことを原資料に記録しておくことが重要です。

なお、症例報告書への氏名の記載は、原資料から症例報告書に転記された内容および作成・修正のプロセスを保証する意味でなされるものであり、上述の被験者の安全性確保等のための確認とは異なるものです。

見解改訂理由

GCPガイダンス(令和3年7月30日薬生薬審発0730号3号)の発出に伴い、軽微な記載整備を行いました。

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