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2009-31 有害事象の因果関係判定の時期

治験119 質問・見解集
日本製薬工業協会医薬品評価委員会臨床評価部会治験119対応チーム
目次

質問番号:2009-31 有害事象の因果関係判定の時期

第1分類:副作用等報告   関連分類:なし初回公開年月:2010年1月 改定公開年月:2013年4月

 現在担当している治験にて有害事象が発生しました。
 事象としては腹痛や便秘症などといったもので、これらの事象は治験薬投与後に発生し、すでに消失し治験薬も中止することなく現在も継続して投与中です。
 そこで、医師へ治験薬との因果関係をうかがったところ、「一旦は症状がおさまってはいるものの、治験薬を投与している以上、またいつ発生するかはわからない。そのため現時点で因果関係を判定する事はできない。判定は全期間を通してどうであったのか、また、全国的には同事象がどの程度の頻度で発生しているのか、それらを総合的にみてからでないと判断はできない。」との見解を得ました。
 確かに、医師の見解も納得はできます。今後同様な事象が頻繁に発生すれば治験薬との因果関係は否定できないと考えます。しかし、この考え方でいくと、すべての有害事象が治験薬との因果関係は否定できないという考え方になってしまいます。治験依頼者側としても、今後どのような有害事象が起こるかは別にして、ひとつひとつの事象に対して現時点での見解が必要なのだと考えます。有害事象の全てが因果関係なしとはいえないになってしまうと、いくら優れた薬剤であったとしても開発中止になる可能性も否定できません。
 医師も最終的には判断いただけるのかとは思いますが、長期試験であるため、そこまで判定を先延ばしにするのはいかがなものかと考えます。医師にこれらの旨を説明しましたが納得いただけませんでした。有害事象を判定する時期に何か厳密な規定はあるのでしょうか。その事象が消失した時なのか、全体を通してなのか、どちらも理解できるような気がいたしました。

 

 GCP第2条ガイダンス15 (10)では、副作用とは「当該治験薬と有害事象との間の因果関係について、少なくとも合理的な可能性があり、因果関係を否定できない反応を指す。因果関係の判定を行う際には、投与中止後の消失、投与再開後の再発、既に当該被験薬又は類薬において因果関係が確立、交絡するリスク因子がない、曝露量・曝露期間との整合性がある、正確な既往歴の裏付けにより被験薬の関与がほぼ間違いなく説明可能、併用治療が原因である合理的な可能性がみられない等を参考にすることができる。」と定義されております。
  発生した有害事象の因果関係の判定を行う時期については、GCPに取り決めはありません。しかし、薬事法施行規則第273条により、個別症例報告については、報告期限が治験依頼者が知ってから7日または15日と定められていることから、治験責任医師等には、都度、その時点までの入手情報によって因果関係判断をしていただく必要があります。
 しかし、治験実施計画書に規定がある場合は、それに従って治験依頼者に報告していただく必要があります。なお、後に得られた情報により因果関係の判定を適切な理由の下で変更していただくことも問題ありません。

【見解改訂理由】
 GCPガイダンス(平成24年12月28日、薬食審査発第1228第7号)発出により、定義が補足されました。

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