医薬品評価委員会 2009-10 外部委員- 「実施医療機関と利害関係を有しない者」の範囲(その3)

関連分類:治験審査委員会

初回公開年月:2009年07月

質問

治験審査委員会 外部委員の「実施医療機関と利害関係を有しない者」の範囲についてご質問をさせてください。
外部委員の交替に伴い、後任者を検討しております。
候補者は、近隣の大学 薬学部 医薬品情報学 教授
近隣ゆえ、当大学病院薬剤部で、薬学部の学生の実習生を多く受け入れている状況があります。

当院で実施中の治験依頼者に、候補者の是非についての見解を質問したところ、「問題ない」との見解の依頼者が多数なのですが、数社から、「グレーな範囲」、「不適切である」との見解がありました。

「グレーな範囲」、「不適切」の理由としては、「薬学部の教室は、実習を依頼する立場となる」、「薬学部の学生の実習生において、実習費用として組織間で金銭の授受が発生するためである。候補者自体に授受が発生しないにしても、所属組織間に利害関係がある以上、外部委員とするのは避けるべきである。」とのことです。

一般的にも、薬学部所属の外部委員は存在していると思われますし、医療機関で薬剤部の学生の病院実習を受け入れるのも通常と考えます。(実習費用はどの施設でも発生しています)

製薬協見解

GCP第28条第1項第4号委員(実施医療機関と利害関係を有しない者)に対しまして、同ガイダンス5では「実施医療機関の職員等は、「実施医療機関と利害関係を有しない者」に該当しない。ただし、例えば、実施医療機関が複数の学部を有する大学の医学部の附属病院である場合に、他学部(法学部等)の教員で実施医療機関と業務上の関係のない場合には、「実施医療機関と利害関係を有しない者」の対象と考えられる。」と規定されています。

ご質問のケースは、別の大学法人の教員であり、実施医療機関の職員としても勤務されていません。また、病院実習の受け入れは実施医療機関と大学法人間の契約に基づく業務であり、当該外部委員の候補者と直接的な利害関係は少ないものと思われます。そして、一般的な商取引に伴うような利害関係からの影響も少ないものと考えられます。したがって、外部委員として指名されることに問題はないと考えられます。

なお、組織-組織間の関係だけでなく、実施医療機関と当該候補者との関係を鑑み、治験審査委員会の設置者が個別に判断の上、選任することが必要と考えられます。

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