健康医療データの用語集

匿名化/匿名加工

一人ひとりの患者さんに最適な医療を提供するため、そして未来の医療に役立てるため、病名、検査結果、治療等の医療情報を用いて医学研究を行うことは重要なことです。しかし、研究を行う際には、プライバシーの保護に配慮することもまた重要です。そのため、研究する情報から、氏名・連絡先など、特定の個人を識別できる個人を識別できる情報を取り除くなどして、元の情報を復元できないように加工することを一般に匿名化あるいは匿名加工といいます。

匿名化した医療情報を活用することで、個人情報を守りつつ、一人ひとりの医療情報を明日の医療につなげることが出来ます。

医療機関 国民・患者 診察・検査・治療に関する情報を 提供 医療情報 データベース 研究開発に必要な情報のみを匿名加工や仮名加工情報として提供 研究者 効果の高い新たな治療法など研究の成果が医療現場に

私たちが病気やケガなどで医療機関を受診したとき、診療の流れの中で、患者さん一人ひとりについて、診察・検査・治療などの幅広い医療情報が記録され、医療機関や加入している健康保険組合ごとに、膨大な量の医療情報が蓄積されています。これらの医療情報を分析することで、効果のより高い治療法が分かったり、新薬がつくられたり、病気の早期発見や治療をサポートする機器が開発されたりするなど様々な成果につながり、将来より良い医療を受けられるようになります。
しかし、研究を行う際には、プライバシーの保護に配慮することも重要です。そのため、氏名・連絡先などの特定の個人を識別できる個人を識別することができる情報を取り除くことを一般に匿名化といいます。このように匿名化した医療情報を用いて研究が行われています。
匿名化の定義は様々ですが、日本の個人情報保護法では、個人情報を復元不可能な形で、個人を特定できないように加工して作成された情報であり、他の情報と照合しても個人の特定はできないように加工することが求められています(これを匿名加工情報といいます)。しかし、これには課題があります。具体的には、氏名や連絡先を削除するだけでなく、医療情報そのものも加工をする場合があり、正確な分析が出来ないことがあるため、医学研究の妨げになっているとの指摘があります。
そのため、氏名や連絡先を削除するものの、医療情報そのものは加工しない(これを一般に「仮名化」あるいは「仮名加工」といいます)情報で医学研究を出来るような法制度の検討が近年国内外で議論されています。

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